2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13834006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
妹尾 栄一 , 東京都・精神医学総合研究所, 副参事研究員 (30226675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 拓 国立武蔵野学院, 医務課医長
大原 美知子 , 東京都・精神医学総合研究所, 研究員
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Keywords | 薬物乱用 / 薬物依存 / シンナー / 覚醒剤 / 少年非行 |
Research Abstract |
犯罪白書等によると、近年薬物乱用者の数は増加しつつある。とりわけ女子の未成年者(女子非行少年)における覚醒剤乱用が著しく増加しつつある。本研究はそうした新たな事態を踏まえ、国立、県立の児童自立支援施設(旧教護院)に入所中の非行少年・少女を、乱用薬物の実態を考慮して類型化し、性差の影響を考慮しつつ、13年度はリスクファクターを推定するための予備調査の期間として位置づけた。具体的には、国立・県立教護院の入所者のうち総数131人に悉皆的に半構造化面接を行い、薬物乱用の既往を含めた多面的な非行歴、家族背景、生育歴など基本的な属性と、薬物によって惹起する精神科的・心理的症状を網羅的に把握し、その相関が男女において、どのように異なっているかも併せて検討した。その結果(重複を含めて)ラッカーシンナー乱用者37人、トルエン乱用者52人、ボンド19人、マリファナ21人、覚醒剤27人、ブタンガス87人などであった。今回の調査では、「学校ストレス尺度」と「攻撃性尺度」を同時に実施したが、薬物使用の有無での有意差は、解釈度を含めて認めていない。 (まとめ)児童自立支援施設の入所者について、各種属性の比較を行い性差(男女差)でいくつかの相違を認めたが、薬物の使用パターンでは有意差を認めなかった。以上の中間集計を踏まえて平成14年度においては、採用する心理テストについて薬物使用との関連が深い刺激希求性尺度など、より特異度の高いテストバッテリーに調査票を修正して本格調査を継続する。
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