2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13834006
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
妹尾 栄一 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (30226675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 正実 目白大学, 人間社会学部, 助教授 (90327106)
冨田 拓 国立武蔵野学院, 医務課医長
大原 美知子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (50360699)
有薗 博子 茨城キリスト教大学, 短期大学部, 助教授 (70282366)
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Keywords | 薬物乱用 / 薬物依存 / 有機溶剤 / 覚せい剤 / 少年非行 / 交友関係 / 仲間からの影響 / 暴走族 |
Research Abstract |
犯罪白書等によると、近年薬物乱用者の数は増加しつつある。本研究はそうした新たな事態を踏まえ、国立、県立の児童自立支援施設(旧教護院)に入所中の非行少年・少女を、乱用薬物の実態を考慮して類型化し、性差の影響を考慮しつつ、15年度は少年の交友関係が乱用促進に与える影響について焦点を絞って調査を行った。 具体的には、国立・県立児童自立支援施設の入所者のうち総数87人に悉皆的に半構造化面接を行い、薬物乱用の既往を含めた多面的な非行歴、家族背景、生育歴など基本的な属性と、薬物によって惹起する精神科的・心理的症状、交友関係にあった者での薬物乱用の動態を網羅的に把握し、その相関が男女において、どのように異なっているかも併せて検討した。 その結果、「日ごろの交友関係で薬物を乱用しない取りきめがあった」者26.4%、「自分自身が乱用していて周囲から止めるよう忠告を受けた」者43.7%になる。また交友関係の中で薬物乱用の恋人がいる者35.7%、交友関係に薬物乱用者がいる者74.7%であった。 また暴走族メンバーの友人がいる者は73.6%、暴力団関係者の知り合いがいる者は18%にのぼる。そしてこの様なハイリスクの交友関係が薬物乱用を促進する過程について、分析を進めた。 (重複を含めて)有機溶剤乱用44%、ガスパン乱用5.8%、覚せい剤乱用2.9%などであった。交友関係の状況は、いずれかの薬物の異性友人での乱用率は20.6%、恋人ではない友人での乱用率は60.8%、暴力団関係者で交友があっ者の11.8%、暴走族メンバーで知り合いがいた場合の乱用率は32.4%にのぼっていた。 (まとめ)児童自立支援施設の入所者はおおむね15歳未満の非行早発群と位置づけられるが、本調査によりその交友背景についても、友人や暴力団関係者、暴走族関係者など複数のハイリスク要因を抱えていることが判り、また逆に「友人からの忠告」「友人への忠告」など、薬物を中止するような方向での働きかけも確認された。
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Research Products
(1 results)