2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己集合性蛋白質をビルディングブロックとした複合化集積システムの構築
Project/Area Number |
13835001
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Research Institution | Okazaki National Research Institute |
Principal Investigator |
大庭 亨 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30291793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三部 正大 宇都宮大学, 工学部, 教授 (40007993)
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Keywords | ナノデバイス / インテリジェントマテリアル / 自己集合 / 動的システム / 複合化システム / クロロフィル |
Research Abstract |
1.微小管を利用した複合化集積システムの高機能化:これまでに高い集積度と動的特性をもつ複合化集積システムを構築することができた。さらなる機能向上のために、チューブリン表面を認識する機能分子を、ゆるやか且つ高密度で微小管上に集積した複合化集積システムの構築を試みたが、期間内に種々の機能分子を同時に微小管上に集積するまでには至らなかった。機能分子が秩序正しく配列する仕組みについても検討を行った。さらに、磁場配向を利用した微小管の集積と高機能化も検討した。 2.チューブリンと酵素の複合化方法の検討:微小管表面にアニオン性のアミノ酸残基が多いことに着目し、カチオン性を有する機能分子を合成した。この化合物はウシ血清アルブミン表面に吸着した。一方、微小管と混合した場合にも、微小管上の蛍光色素と機能分子との間に相互作用が観測された。このほか、チューブリンに特異的に吸着するオリゴペプチドの利用も検討した。このような方法は微小管上に機能分子を集積する方法として一般化を期待できると考えられた。 3.微小管を利用しない新たな複合化集積方法の開発:アビジン-ビオチン結合を利用し、機能分子を逐次的に配列する方法の開発を検討した。鍵分子として分子内に2つのビオチン部位を有する種々の新規化合物を合成し、これらの化合物がアビジンに結合することを確認した。これにより、分子を集積・複合化する新しい方法論の可能性が見出された。 4.天然の複合化集積システムの分子構成メカニズムの解明:クロロフィルがπ共役系平面の一方の側から配位され易い事実が分子構造上の特徴に由来することを初めて突き止めた。この結果から、補酵素の分子構造の非対称性が周囲の蛋白質との相互作用を通じて構造多様性を生み、この多様性が(光エネルギーの)入出力に対する系の柔軟性に寄与していると考えられた。さらに、クロロフィルのπ共役系平面の命名法を提案した。
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Research Products
(1 results)