2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13836001
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西原 宏史 茨城大学, 農学部, 助教授 (10260465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久留主 泰朗 茨城大学, 農学部, 教授 (60272118)
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Keywords | 耐熱性 / 耐酸素性 / ヒドロゲナーゼ / 水素酸化細菌 / 部位特異的変異 / 安定化 |
Research Abstract |
Hydrogenovibrio marinusの膜結合型ヒドロゲナーゼ(MBH)は耐熱・耐酸素性に優れ、活性(大)サブユニット(HoxG)のIle残基の割合が高いという特徴が見られた。このような特徴に基づいてRalstonia eutropha由来MBHのHoxGに部位特異的Ile残基の導入を行い、6つ変異型MBHを作成した。本年度はメチレンブルー(MB)還元活性と重水素置換活性を指標とした安定性の解析を行った。MB還元にはHoxGから数個のFeS-クラスターをもつ小サブユニットへの電子伝達が必要であるため、本活性によってサブユニット構造の安定性が評価できる。一方、重水素置換反応には電子伝達が関与しないため、活性中心の安定性を評価できる。MB還元活性を指標とした場合、サブユニット境界面に変異部位が位置すると推測されるM2,M3変異で有意な安定性の増加が確認され、サブユニット間の会合が増強されたと考えられた。重水素置換活性を指標とした場合、M6を除く全ての変異で安定化が確認された。M1, M4, M5の変異部位はHoxGの疎水的コアに位置すると推測され、このような部位やサブユニット境界面へのIleの導入によって活性中心が安定化されることが示された。なお、変異部位の帰属はDesulfovibrio gigasの[NiFe]-ヒドロゲナーゼの結晶構造より推測した。さらに安定化効果の認められた変異については、それらを組み合わせた多重変異型MBHの作成を進めている。また、構造遺伝子下流域の解析により、R. eutrophaのHoxLやHoxMと高い相同性のあるORFが新たに見い出された。HoxMはHoxGの成熟化過程で働く特異的プロテアーゼであり、HoxLは遺伝子削除によってR. eutropha MBHの90%程度の活性が失われることが報告されており、いずれも重要な成熟化蛋白質である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nishihara, Hirofumi: "Analysis of the molecular species of hydrogenase in the cells of an obligately chemolithoautotrophic, marine hydrogen-oxidizing bacterium, Hydrogenovibrio marinus"Biosci. Biotechnol. Biochem. 65. 2780-2784 (2001)