2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13836010
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 洋子 北里大学, 北里生命科学研究所, 助教授 (80197186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 雅吉 北里大学, 北里生命科学研究所, 講師 (80311231)
塩見 和朗 北里大学, 薬学部, 助教授 (40235502)
供田 洋 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (70164043)
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Keywords | 微生物資源 / 未利用微生物 / 新規有用物質 / 活性酸素 / SOD |
Research Abstract |
微生物由来の新規有用物質探索のための新たな微生物資源確保のため、土壌中の未利用微生物を分離することを目的とした。昨年度は、M.luteusが、休眠細胞を活性化し成育を促進するタンパクを菌体外に生産するとの報告にヒントを得て、本菌株の培養ろ液を分離用のGPM培地(Glucose peptone-meet extract agar)に添加し微生物分離を行い、無添加では分離されない菌株を得ることができた。本年度は、土壌中に優先的に存在すると思われる微生物の培養液上清をGPM培地に添加したところ出現菌数が飛躍的に増大した。この培養液濃縮物のSDS-PAGE分析から、菌数増加させる物質はsuperoxide dismutase (SOD)であることが示唆された。そこで、市販のSODを用いて添加分離を行ったところ同様の効果が得られた。これらの結果から、培地中には活性酸素が発生しているのではないかと考えGPM培地の寒天片を切り取りMcCord and Fridovichの方法により定量分析を行ったところ体積依存的に活性酸素が検出された。その量は3.7nmol/ml/hであった。上記の結果から、土壌中には活性酸素に感受性の菌が存在し、培地によっては生育することが困難であり、SODを添加したことにより活性酸素が消去されコロニーを形成することができたのではないかと考えられた。SOD添加培地では、菌数が増加しただけではなく種類も増大した。現在、これら菌株の16S rRNA遺伝子による系統解析により分類学的位置付けを検討するとともに、生物活性物質の生産性を調査中である。
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