2001 Fiscal Year Annual Research Report
労働組織におけるジェンダー関係と人事政策-ジェンダー間職務分離を中心に-
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13837005
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
木本 喜美子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (50127651)
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Keywords | 労働組織 / ジェンダー関係 / 人事政策 / ジェンダー間職務分離 |
Research Abstract |
本年度はまず「労働組織とジェンダー」に関する欧米の研究書のリストを作成し,研究動向のサーベイを行った。近年,この分野の文献はかなり蓄積されて,本研究にとって参照しうる実証研究が多くなってきていることが明らかになった。 第二には文献サーベイによる知見および後述の実態調査から得た知見をめぐって,3月にはその分野の専門家であるアドリーナ・ブロードブリッジ氏(英国スターリング大学小売業研究所上級講師)と有益な意見交流をすることができた。小売業研究を研究フィールドとする同氏とは,イギリスと日本の小売業の特徴と動向について議論することができた。彼女と私のアプローチは異なっているが,研究の到達点と関心が非常に似通ってきていることが確認され,今後の日英比較の検討に入ることになった点でも大きな成果が得られた。また,ニューカッスル大学ジェンダー研究所所長であるダイアン・リチャードソン教授から,近年の英国におけるジェンダー/セクシュアリティ研究の到達点についてレビューを受けた。またニューカッスル大学の図書館で,見落としのあった文献を収集することができた。 第三には,食品スーパーY社と総合スーパーX社の本社人事部から人事政策の動向と問題点について聞き取りを行うとともに,経営トップに位置する人々からの職場史の聞き取りを通じて,スーパーマーケットの戦後史を再構成する作業に着手した。これはいまだ完成していない。さらにY社に関してはひとつの店舗の従業員各層のインタビュー調査を,X社については女性店長を中心とするマネジメントスタイルについて詳細なインタビュー調査を実施した。
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