2002 Fiscal Year Annual Research Report
労働組織におけるジェンダー関係と人事政策-ジェンダー間職務分離を中心に-
Project/Area Number |
13837005
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
木本 喜美子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (50127651)
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Keywords | 労働組織 / ジェンダー関係 / ジェンダー間職務分離 / 人事政策 / 女性労働 |
Research Abstract |
本年度は主として,文献収集の継続とともに国内小売業労働の実態調査を継続しつつ,これまで集積してきたデータ分析と中間的なまとめに多くの時間をさいた。収集したデータを、ひとたび本格的に整理してみることは、これまで明らかにされた点といまだ不明確な点を把握するうえで有益であると考えられるからである。実態調査は総合スーパーX社およびZ社の店長クラスのインタビューを中心とし,中間的なまとめにとって不可欠な,労働組織とマネジメント・リーダーシップ構造について的をしぼったものとした。 中間まとめとしては1月下旬に700枚(400字づめ)程度の原稿を完成させた。現在刊行作業にはいっており,5月ないしは6月に刊行予定となっている(勁草書房)。章別構成は以下のとおりである。第1章 労働研究とジェンダー視角,第2章 方法と対象,第3章 ジェンダー間の職務分離メカニズム,第4章 労働組織内の応答・交渉関係,第5章 「女性店長づくり」という挑戦,終章,労働組織のリアリティに迫る。 また上記のまとめの執筆過程で,イギリスとの比較研究の必要性をますます痛感するようになり,3月にはイギリス小売業を代表する総合スーパーおよび百貨店におけるマネジャークラスへのインタビューを実施した(エディンバラ)。またロンドンにあるOpprtunity Now(経営者がオーガナイズしている労働組織における男女平等を実現する運動団体)のオフィスで資料収集と近年の運動上の特徴にかんするヒアリングを行うことによって,ここの企業における人事政策と男女平等の達成との関連にかんするケース研究を収集した。またロンドンシティ大学シンシア.・コウバーン教授からジェンダー視角からの労働研究にかんする研究レビューをうけることができた。
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Research Products
(2 results)