2002 Fiscal Year Annual Research Report
中国近代における身体についての思想文化のジェンダー論による分析
Project/Area Number |
13837006
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
坂元 ひろ子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30205778)
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Keywords | 中国近代 / 優生学 / 生殖技術 / ナショナリズム / 身体 / ジェンダー / 衛生教育 / モダン・ガール |
Research Abstract |
前年度に続いてテクストの分析をおこない、とりわけ20世紀初頭のグラビア紙『図画日報』などでの反纏足運動、体操教育、自転車運転、女工労働争議、軍隊関与等における都市女性の身体の図表と言説表象から新女性のモデルの形成過程をたどりえた。 国内での成果発表では本課題の成果をスタンダードな研究者用の中国近代史概論にはじめて組み込み、『アジア新世紀4』(岩波書店)の編集にも反映させた。お茶の水女子大学ジェンダー研究センターセミナーでの中国近代の身体、とくに優生学をめぐるセミナーのコメント等も公刊した。 また国外の国際会議でも、まず7月に文化研究に関する韓国でのシンポジウムでアジアのフェミニズム研究に従事する梨花女子大教授らにレビューを受けた。また11月には台湾の東華国立大学で中国近代思想におけるジェンダー問題の国際シンポジウムに参加して成果のレビューを受け、平成15年3月、同様の研究を手がけるコロンビア大学の王徳威教授やプリンストン高等研究所でジョーン・ジャッジ教授らにレビューを受け、あわせて両所で資料調査をおこない、最後に27-30日のアメリカ・アジア学会の年次大会でもレビューを受けた(30日)。 当初の計画ではヨーロッパ・アジア学会で発表するつもりであったが、アメリカの学会での発表に切り替えたのは、こちらの日程調整も難しく、またレビューを特に受けたいと願っていた教授の都合からいってもアメリカの学会のほうが条件にあうと判断したためである。またこの時期、ニューヨーク市立博物館でちょうど特別展示中の「1920年代に突入するニューヨーク新女性」参観も同時代の比較研究において有用であった。
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