2001 Fiscal Year Annual Research Report
日中都市世帯における就業と家事活動の調整に関する時間地理学的比較研究
Project/Area Number |
13837009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 耕平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90201988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥貫 圭一 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90272369)
田原 裕子 東京大学, 総合文化研究科, 助手 (40282511)
荒井 良雄 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50134408)
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Keywords | 時間地理学 / 中国:日本 / 都市世帯 / 女性の社会進出 / 少子化 |
Research Abstract |
・日本と中国で行われた活動日誌調査データを分析した。その結果、年齢別の就業率、就業形態、通勤方法、通勤時間等で、中国では男女間の差が少ないことが分かった。日本では、これらの指標には、いずれも顕著な男女差が見られる。 ・平成13年9月16日から9月23日まで、岡本、荒井、田原および研究協力の大学院生が中国の3つの都市(北京、長春、大連)を訪問し、研究課題に関する調査を行った。まず、北京では、海外共同研究者の柴と研究打ち合わせをした後、北京大学付属幼稚園で保育サービスの現状について調査した。また、夫婦共稼ぎ世帯での家庭内の育児の状況を調べるため、一世帯を訪問し、家政婦に聞き取り調査した。北京と長春では、企業での育児休暇の現状を調べるため、北京三元食品有限公司および第一汽車集団公司で聞き取り調査を行った。大連では、中国で行われた活動日誌調査の調査地区を視察した。 ・北京大学付属幼稚園での聞き取り調査からは、長時間保育、朝昼晩三食の給食など、日本の保育施設に比べて、手厚い保育サービスが提供されていることが分かった。また、住み込みの家政婦および彼女の雇い主へのインタビュー調査からは、中国の沿岸都市部と内陸農村部の経済格差を反映して、都市部住民は家政婦を比較的低賃金で雇うことができること、家政婦は都市戸籍をもてない流動人口であるため、都市部で数年間働いたのち帰郷する存在であることなどが分かった。中国都市世帯で女性の社会進出を支えているのは、こうした手厚い保育サービスと国内の地域格差に依拠する流動人口の存在であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nishimura, Y., OKamoto, K.: "Yesterday and today: Changes in workers' lives in Toyota City, Japan"Karan,P.P. ed. 'Japan in the Bluegrass'. The University Press of Kentucky.. 96-121 (2001)
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[Publications] 荒井良雄, 岡本耕平, 田原裕子, 柴彦威: "日中都市における生活活動システムの時間地理学的比較研究(平成12・13年度科学研究費、基盤研究成果報告書)"98 (2002)