2001 Fiscal Year Annual Research Report
男女共同参画社会における高校・大学男女共学進行過程のジェンダー分析
Project/Area Number |
13837024
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
亀田 温子 十文字学園女子大学, 社会情報学部, 教授 (10149164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 恵子 東北学院大学, 教養学部, 教授 (10132002)
入江 直子 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (00223355)
池谷 寿夫 高知大学, 教育学部, 教授 (90136367)
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Keywords | 男女共学 / 男女共同参画社会 / 国際研究者交流 / ドイツ |
Research Abstract |
今年度は近年の第3期男女共学化の動きについて、日本、ドイツの現状に関する基礎資料収集を中心として研究活動を行った。日本については、公立高校における男女別学か残存する埼玉県、群馬県、福島県、宮城県が同校再編に関係し動き始め、具体的な計画、共学化が進み始めている実態をとらえた。ドイツは80年代以降の男女共学教育についてウイーラント教授との研究交流から、現在の反省点、新たな課題と取り組みの状況を把握した。 1 福島県は95年から10年計画が進み、いわゆる進学校の男女共学化も実現した。学校の統廃合は行わず、各学校が共学となる形態である。安積黎明高校は女子高から共学となり、学校名、校章、校歌・制服の変更をおこなった。これまで女子に対応する形で検討されてきた各教科の教授方法。シラバスをどのように見直すか、検討がはじまっている。 2 宮城県では2001年の高校将来構想に男女共学化の推進が明記され、2005年までの計画が示された。七角田市のような地方都市では、子供の少子化により男子校・女子高を統廃合して1高の男女共学校を創るのに対して、都市部では各学校が共学を検討する。男子高校の仙台一高では、将来的な共学は予想するものの、高校生の時期は男子同士で学校生活を行うことを支持する認識がまだ強い。 3 群馬県は2002年3月に高校教育改革基本方針が示され、2006年までの統廃合計画による男女共学計画が示された。単位制高校、フレックススクール等への改革が計画されている。こうした中で、埼玉県は市民グループなどによる男女共学への働きかけはあるものの、行政からの方針は示されておらず、男女別学体制が維持され続けている。 4 ドイツでは、現在の男女共学がはたして女子の能力を広げ高めたかということから、反省がおきており、共学を前提にした男女別の学習形態導入なども検討されている。教師め意識改革の必要から、教員研究資料が多数作成される一方、自然科学への関心を高め、女子の自立支援(職業・人生設計)などが学校でとりくまれている。資料は多数入手。
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