2004 Fiscal Year Annual Research Report
労働組合運動のジェンダー化に関する研究-日独比較の視点から-
Project/Area Number |
13837025
|
Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
柚木 理子 川村学園女子大学, 人間文化学部, 講師 (20327216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和代 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (50324562)
|
Keywords | ジェンダー / 労働組合 / 連合 / ドイツ労働組合総同盟(DGB) / ジェンダーの主流化 / 男女共同参画基本法 / ジェンダー政策 |
Research Abstract |
平成16年度は、(1)これまで収集した労働組合第一次資料の総合的分析、(2)労働組合関係者の聴き取り調査の検討、(3)昨年度刊行した論文"Towards Gendering Trade Unions in Japan Germany ---The Impact of Expanding Part-time Employment in the 1990s"(海外学術雑誌Industrielle Beziehungen所収)の内容をさらに考察する作業をおこなった。 日本については、組織化問題がナショナルセンター・レベルにおいて連合発足前から労働組合運動の主要課題の一つであり続けてきており、1990年代は特に女性パートタイム労働者が組織化の対象として注目されていたといえる。この点は、労働市場の編成、法制度の規制緩和、ジェンダーの主流化に象徴される国の男女共同参画社会基本法によっても、この点が浮き彫りになったと考える。 ドイツについては、1990年代の半ばからジェンダー政策のコンセプトがドイツ労働組合総同盟(DGB)の労働組合運動のコアに盛り込まれていく経緯が顕著に見られた。それまでDGB女性部が中心となり取り組んできた男女平等政策が、組合運動の核心部分にあたる規約改正(1994年)や15年ぶりの基本綱領の改正(1996年)を通じて全体の運動に反映させるようになってきたことが指摘できる。具体的には、男女平等政策を規約内の組合運動方針の一つに加えたこと、さらに従来の労働者像の見直し、支払労働にとどまらず不払労働を含める労働懸念を拡大したことである。その背景には、労働組合組織率の低下や非正規雇用労働者の増加があり、さらにはEUのジェンダーの主流化政策の影響を多大に受けたと考えられる。
|
Research Products
(2 results)