2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13852002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西川 公一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60198439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 将志 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90362441)
小林 隆 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (70291317)
中家 剛 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50314175)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / ニュートリノ質量 / フレーバー混合 |
Research Abstract |
平成15年1月から6月、10月から翌年2月までニュートリノ振動実験を遂行し、ニュートリノビームデータ量を2001年までの約2倍と向上させた。2001年の結果でニュートリノ振動無しの可能性を99%の確率で却下していたが、より信頼度高くニュートリノ振動の存在を決定できるデータを収集した。このデータを用い、ニュートリノ振動のパラメータの測定精度を約1/√2倍向上させる予定である。 本研究費の主目的である新型ニュートリノ検出器、SciBarを平成15年6月から9月にかけてKEKで建設しニュートリノ実験施設に設置した。平成15年10月から約4ヶ月間、SciBar検出器で約30,000事象のニュートリノ反応のデータを記録した。このデータを使ってミューオンの運動量分布を測定し、モンテカルロシミュレーションの予想と比較した。観測されたミューオン運動量分布は予想とよく一致しており、SciBar検出器のエネルギースケールが正確に理解できていることを確認した。また、ニュートリノエネルギー測定に用いる荷電カレント準弾性散乱事象を観測し、その特徴である陽子とミューオン2つの飛跡をはっきりと観測した。更に観測された飛跡のエネルギー情報を使って粒子識別を行い、陽子とミューオンが識別できることを確かめた。以上の研究に加えて、ニュートリノ振動解析でバックグラウンドとなる荷電カレントπ生成反応事象候補である3トラック事象の観測、中性カレントπ^0事象の観測、中性カレント弾性散乱事象の観測を行った。SciBar検出器に関してはまだ調整途中であり定量的な物理結果は得られていないが、検出器の基本性能の確認は終了した。今後SciBar検出器で様々なニュートリノ反応の研究を行い、そのデータを基に更にニュートリノ振動の測定制度を向上させる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.H.Ahn, et al.: "Indications of neutrino oscillation in a 250km long baseline experiment"Phys.Rev.Lett.. 90. 041801 (2003)
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[Publications] T.Nakaya: "Future Experiments with Super neutrino beams"Nucl.Phys.Proc.Suppl.. 118. 210-219 (2003)
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[Publications] K.Nishikawa: "Results from K2K"Nucl.Phys.Proc.Suppl.. 118. 129-137 (2003)
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[Publications] Y.Fukuda, et al.: "The Super-Kamiokande Detector"Nucl.Instrum.Meth.. A501. 418-462 (2003)
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[Publications] B.J.Kim, et al.: "Tracking Performance of the scintillating fiber detector in the K2K experiment"Nucl.Instrum, Meth.. A497. 450-466 (2003)
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[Publications] T.Ishii, et al.: "Near muon range detector for the K2K experiment : Construction and Performance"Nucl.Instrum.Meth.. A482. 244-253 (2002)