2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子井戸におけるTHz音響フォノンを用いた電子波動関数の可視化とその応用
Project/Area Number |
13852006
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
WRIGHT O・B 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
友田 基信 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30344485)
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Keywords | 半導体量子井戸構造 / 電子波動関数 / ポンププローブ分光 / サブTHz音響フォノン / 電子格子相互作用 / 超高速現象 / 不均一多層膜 / ピコ秒レーザー音響法 |
Research Abstract |
GaAs/Al_<0.3>Ga_<0.7>As量子井戸構造中での超短光パルスを用いた超音波パルス生成検出について、この研究を発展させ、より高い時間分解能(0.5ps)で実験を行い0.5THzまでの超音波の発生を確認した。さらにこの実験結果を、超音波発生・伝播・光検出をモデル化した理論計算結果と比較することにより、GaAs量子井戸層の実効光消衰計数、Al_<0.3>Ga_<0.7>Asバリア層の超音波減衰係数、各層膜厚、GaAsおよびAl_<0.3>Ga_<0.7>As層の光弾性係数、などの物理量を定量的に得た。この結果はJapanese Journal of Applied Physics誌に発表された。 我々はまた超短光パルスによって生成された歪みパルス形状を正確に計測する手法を開発した。歪みパルス形状は固体中の励起電子の超高速ダイナミクスや電子格子相互作用の詳細を知るために重要な情報である。一般に固体中に生成されたピコ秒音響パルスはプローブ光の反射率変化もしくは位相変化によって検出される。これらの変化は光弾性効果と過渡的表面変位に基づく光音響相互作用によって引き起こされる。歪みパルス形状は過渡的表面変位と密接に結び付いているが、従来の測定方法では、過渡的表面変位を光弾性効果から独立に測定することは困難であった。今回開発した手法は、新しい斜め入射プローブ光学系を用いることにより、過渡的表面変位ひいては歪みパルス形状を光弾性効果から独立に測定するものである。この研究の一部はJournal de Physique IV誌に発表された。 我々はさらにピコ秒音響パルス測定のための新しい超高速サニヤック干渉計の開発を行った。これはポンププローブ光を単一の対物レンズを用いて試料の同一方向から照射し、かつポンププローブの相対位置を1ミクロンの精度で走査可能なものである。この結果はReview of Scientific Instruments誌に投稿中である。
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Research Products
(3 results)