2004 Fiscal Year Annual Research Report
超薄高誘電率ゲート絶縁膜におけるシリコンとの界面制御の研究
Project/Area Number |
13852009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弓野 健太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40251467)
喜多 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00343145)
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Keywords | 高誘電率絶縁膜 / High-k膜 / HfO_2 / Y-doped HfO_2 / 遠赤外特性 / LaYO_3薄膜 / Y_2O_3 on Ge / 界面層 |
Research Abstract |
本研究課題達成のために、今年度は以下の点に着目して研究を行った。 (1)界面層成長の物理モデルの構築と解析式の導出 前年度から続いているHfO_2/Si界面のSiO_2層の成長に関して、極薄のHfO_2から10nm程度の膜厚までを包含した膜成長物理モデルを構築した。 (2)メタルをドープしたHfO_2の誘電率 HfO_2は高温処理をするとモノクリニック相で結晶化する。しかし、ある種のメタルがドープされると、モノクリニック相よりもキュービック相が安定相として出現することがセラミックスでは報告されている。これに着目して、メタルドープによる誘電率の上昇を意図に実験を行ったところ確かにある種のメタル(Y、La、Ce)では、誘電率が30近くまで上がることが確認された。これは構造相転移起因の誘電率エンジニアリングという新しいフィールドを作り出す可能性があるものである。 (3)La-Y-O系酸化膜 新たな高誘電率膜を開発することを目的として、化学的に近い性質を持つ二種類のメタルからなる変形ペロブスカイト構造を持つ酸化物を形成。この適度な混合膜から得られた誘電率の値はLa酸化物、Y酸化物それぞれよりも倍以上大きい誘電率が得られた。 (4)遠赤外特性 Hfシリケートの高温処理における相分離過程を赤外吸収特性から明確にした。結晶化はXRD測定で検出できるが、SiO_2は結晶化しないので、XRDは無力である。ところが赤外はSiO_2の同定に極めてパワフルであり、結晶化したHfO_2とアモルファスであるが相分離したSiO_2を測定から明瞭に観測することができた。 (5)Ge上のY_2O_3とHfO_2の比較 次世代半導体材料として期待されるGe上に適したHigh-k膜の探索の中で、Y_2O_3はGeとの界面に界面層を全く有しないでかつ極めて特性の良い界面を形成することが確認された。MOS特性はVfbシフトを除けば、理想に近い特性であり、Geデバイスの実現に向けた界面の特性制御に大きく貢献すると思われる。
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Research Products
(7 results)