CFDの逆問題解析に基づく室内温熱・空気環境の最適設計システムの開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13852012
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 白石 靖幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (50302633) ; 大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251470) ; 村上 周三 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40013180)
• Keywords: 室内温熱・空気環境の最適設計 / CFD / 最適化手法 / GA (Genetic Algorithms) / 温熱快適性 / 空気質 / 省エネルギー / 自動化設計支援システム

Research Abstract

CFD (Computational Fluid Dynamics)を用いた室内温熱・空気環境の最適設計手法の開発を目的とし、本研究では、室内温熱・空気環境の設計者の様々な意志決定による設計行為をモデル化し、CFDを用いた室内温熱環境の最適設計システムを作成した。その詳細な内容は以下となる。
1)最適化のための評価論理を開発:室内温熱・空気環境を決定する諸要素により、形成された環境を最適設計の判断の基準となる複数の目標(例えば、温熱快適性、空気質、省エネルギーなど)の重要度などによって評価し、各目標における最適案を決定する評価法を開発した。
2)最適化される制御要素の設定値の探査:制御要素の数が多い場合、または制御要素と室内環境との因果関係が不明確である場合、設計目標が達成できる制御要素の組み合わせを効率よく検索するため、本研究ではGA (Genetic Algorithms、遺伝的アルゴリズム)を用いた室内温熱・空気環境制御要素の最適探査法を開発した。
3)CFD手法による最適設計評価法の開発:最適化評価論理をCFDシミュレーションに組み込むことにより、CFD手法による室内温熱・空気環境の最適設計評価法を開発した。この手法により各制御要素の室内環境への寄与などが定量的に評価可能であるとともに、ある設計目標に対して諸制御要素を最適に組み合わせ可能なツールとなる。
4)最適設計システムの実行及び修正:上記1、2、3より作成された最適設計システムを実務的な観点から、その精度を向上させるための種々の検討を行った。

Research Products

• [Publications] 小野寛也, 村上周三, 金泰延, 加藤信介: "CFDとGAを用いた室内温熱環境の最適設計手法の開発 季節条件を考慮した放射冷暖房ハイブリット空調方式の最適設計"日本建築学会大会学術講演梗概集. D2. 1103-1104 (2002)
• [Publications] 菅健太郎, 金泰延, 加藤信介: "室内温熱環境の最適設計における多目的問題に関する研究 -日照・日射を考慮した窓面最適設計における考察-"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. I. 517-520 (2002)
• [Publications] 庄司研, 大黒雅之, 大野茂, 森川泰成, 加藤信介: "2段階型最適設計設計プロセスの階層構造を考慮した最適空調設計支援システム (その2)CRIによる温熱環境予測と冬期空調条件の最適化"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. I. 513-516 (2002)
• [Publications] 金 泰延, 加藤信介, 村上周三: "CFD連成解析を用いた室内温熱環境の最適設計システムの開発 第1報 最適設計手法の原型作成とその応用"空気調和・衛生工学会論文集. 84. 53-60 (2002)
• [Publications] 宋 斗三, 加藤信介, 村上周三, 金泰延: "自然通風併用型放射冷房システムに関する研究 第1報-放射パネル冷房方式と床吹出し冷房方式の比較"空気調和・衛生工学会論文集. 87. 61-68 (2002)
• [Publications] 大野茂, 森川泰成, 大黒雅之, 庄司研, 加藤信介, 金泰延: "設計過程の階層構造を考慮した室内環境最適化手法に関する基本的研究 第1報-階層構造の概要とCRIを用いた室内温熱環境最適化"空気調和・衛生工学会論文集. 88. 115-125 (2003)