2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内を高速・高空間分解能で立体観察できる3次元ミクロンCTの開発
Project/Area Number |
13852017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 洋平 東北大学, 大学院・工学研究科, 教務職員 (50359535)
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70219525)
山崎 浩道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00166654)
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Keywords | 3次元ミクロンCT / マイクロPIXE / PIXE / マイクロビーム / X線CCDカメラ |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に開発したマイクロPIXEカメラの高性能化とその応用、及び3次元ミクロンCTに用いるX線CCDカメラの性能評価とこれによるミクロンX線撮影を行った。 マイクロビーム形成装置のミクロンスリット系の精密な調整を行い、1μm以下のビーム径を定常的に形成できるようになった。ビーム量は、1μm以下のビーム径に対して、40pA以上が可能である。 3MeV陽子マイクロビームを用いたPIXEすなわちマイクロPIXE分析を、培養された牛の内皮細胞、及び脳組織の切片に適用し、カリウム、リン、塩素等の元素の細胞内分布画像を得ることができた。これら生体試料のマイクロビームによる損傷効果の研究を行い、大気中で且つヘリウム冷却しながらのマイクロPIXE分析は生体試料の損傷が少ないことが分かった。 マイクロビーム照射によるミクロンサイズの特性X線源を用いてX線CCDカメラの性能評価を行った。銅メッシュのミクロンX線撮影画像から本装置の分解能を求めた結果、水平方向の分解能が垂直方向より劣ることが分かった。これは、CCDの,1素子内でのX線検出にも拘らず、それによって生じた電荷が周辺の素子へ分散する現象によることが分かった。この現象は、光については起こらず、X線特有であることが分かった。 昆虫の羽のミクロンX線撮影を行い、羽のミクロン構造をとらえたミクロンX線写真を得ることができた。ミクロンX線写真の空間分解能は約8μmであったが、これはCCDカメラの素子のサイズによるものであり、試料をミクロンX線源に近接させることにより、1μm程度の空間分解能が得られることが分かった。 ミクロンチューブに入れられた二本の毛髪についてのミクロンX線撮影を行った。マイクロビームによるミクロン特性X線源とCCDカメラを固定し、その中間に毛髪を入れたミクロンチューブを置いた。ミクロン特性X線源としては、CCDカメラの検出効率が比較的高いTiのK-X線を用いた。CTの基礎データとして、ミクロンチューブを回転させたミクロンX線撮影を行い、ミクロンCT画像再構成に必要な回転軸と試料との幾何学的条件の精度が調べられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Matsuyama, K.Ishii, et al.: "Preliminary Results of microbeam at Tohoku University"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 210. 59-64 (2003)
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[Publications] Y.Oishi, K.Hotta, K.Ishii, et al.: "3D imaging of elemental distributions usmg multi angle RBS 2D-data"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 210. 117-122 (2003)
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[Publications] T.Satoh, K.Ishii, et al.: "Development of a large-solid-angle and multi-device detection system for elemental analysis"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 210. 113-116 (2003)
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[Publications] K.Ishii, H.Yamazaki, S.Matsuyama, Y.Kikuchi: "Establishment of Central Research Laboratory for Accurate Quantitative PIXE Analysis -An Approach of Tohoku University-"International Journal of PIXE. 13. 17-22 (2003)
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[Publications] S.Matsuyama, K.Katoh, S.Sugihara, K.Ishii, et al.: "Multi-site Aerosol Monitoring Using Mini Step Sampler"International Journal of PIXE. 13. 65-80 (2003)
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[Publications] H.Yamazaki, K.Ishii, S.Matsuyama, et al.: "Summary of the Workshop on Practical Problems in Biological Application of Micro-PIXE Analysis"International Journal of PIXE. 13. 89-96 (2003)
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[Publications] 松澤大樹, 石井慶造 他: "目で見る脳とこころ"日本放送出版協会. 278 (2003)