2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内を高速・高空間分解能で立体観察できる3次元ミクロンCTの開発
Project/Area Number |
13852017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 浩道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00166654)
菊池 洋平 東北大学, 大学院・工学研究科, 教務職員 (50359535)
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70219525)
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Keywords | 3次元ミクロンCT / アイテレーション法 / 3次元画像 / 光CT |
Research Abstract |
本研究では、マイクロビーム照射による単色X線点線源とX線CCDカメラによる生きたままの細胞の3次元断層画像を取得する3次元ミクロンCTの開発を行う。 CCDカメラはサイズ的な制約から、一台しか用いることができないため、試料を回転させてCT画像を撮るシステムを開発した。高空間分解能を得るためには、回転の精度を上げる必要がある。そこで、回転精度が高いステージを開発し、CT分解能の評価を行った。その結果、現在の配置(X線発生源-サンプル距離=3.7mm、X線発生源-CCD距離=7.15mm)において、5.5ミクロンの分解能が得られることが分かった。分解能は、X線発生源とサンプルの距離を短くすることによりさらに向上させることができるため、現在X線発生ターゲットの小型化により分解能の向上を行っている。 通常のCTとは異なる幾何学的配置なので、自由に幾何学条件を取り入れることができる最尤度法に基づいたアイテレーション画像再構成法を開発し、歪みのない3次元画像の取得が可能となった。 これらをふまえ、内径1mm、肉厚25ミクロンのカプトンチューブに蟻を閉じこめ、CT画像撮影を行った。マイクロX線源用のターゲット元素として、X線の発生量、CCDの検出効率、試料中の透過率を考えてTi(Ti-KX線を利用)とした。角度サンプリングは250回/周とした。一投影あたりの測定時間は8秒で、全周のデータを取得するのに約40分必要であった。取得したデータから画像を再構成し、蟻の脳のCT画像を得た。さらに、蟻の腹部にある器官の像を明瞭にとらえることができた。このミクロンCT画像は、マイクロイオンビームを用いたものとしては、世界で初めてである。この成果を、平成17年1月17日〜21日、ニュージーランド、ウェリントンで開かれた第5回バイオPIXE国際シンポジウムにおいて、招待講演として発表した。 マイクロビーム照射によって蛍光も発生する。この場合、X線の場合と比べ、高速なデータ取得が可能である。波長400nm蛍光を用いてCT画像を撮影したが、透過率の低さと、蛍光発生源の広がりのために鮮明な画像を得ることができなかった。今後、ターゲットを吟味して、さらに開発を続ける。
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Research Products
(5 results)