2001 Fiscal Year Annual Research Report
ランタン-セリウム,サマリウム-ネオジム放射壊変系による先太陽系絶対年代の研究
Project/Area Number |
13853001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 剛 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (00236605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 良浩 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (10281065)
南 雅代 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (90324392)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70183689)
谷水 雅治 学術振興会, 特別研究員
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Keywords | ランタン-セリウム放射壊変系 / サマリウム-ネオジム放射壊変系 / 放射年代 / 先太陽系 / セリウム異常 / 希土類元素 / イン石 |
Research Abstract |
始源的な隕石の中には、原始太陽系集積以前に形成され、太陽系の中で均質化されずに残っている物質が見い出され、その形成場を知るためにさまざまな同位体分析がなされている。本研究では、負のセリウム異常を持ち、太陽系形成以前に作られたとみなされる隕石包有物(CAI:と呼ばれる)のLa-CeおよびSm-Nd鉱物アイソクロンからその先太陽系包有物形成の絶対年代を得ることを目標とする。 装置:同位体比精密測定を目標とし、高分散/深検出器表面電離質量分析計を企画/発注した。このシステムは隣接同位体干渉を低減したもので、既存の設備に比べ、イオン分散を拡大し、^<138>Ceへの^<140>Ceの干渉を防ぐことにより、既存設備に比べ、イオン透過率が2倍暗電流が1/5に低減される見込みである。本装置のスペック設定にあたって、既存の質量分析計を用い、通常^<88>Srが3Vのイオンビーム出力で測定しているSr同位体を、^<88>Srが30mV(従来の1/100、^<87>Srが5mVに相当)でくり返し測定を行った。その繰り返し測定値変動幅の1/10が新型装置のスペックである。装置の搬入は2002年3月の予定。 試料:セリウム異常を持つCalcium Aluminum rich Inclusions(CAI)の抽出は、切断したAllende隕石表面のCAIからそのごく一部(mg以下)を採取し、中性子放射化分析により希土類元素(La,Ce,Nd,Sm,Eu,Tb,Tm,Yb,Lu,Sc)および白金属元素を定量することにより行う。手持ちのAllende隕石試料600gをスライスし、放射化分析の準備を行った。中性子放射化には日本原子力研究所JRR3水力照射設備HR孔で48時間照射ののち、名古屋大学のRI総合センターでγ線の計測を行う(平成13年度の課題番号1158)。試料の消耗はmg以下と少なく、セリウムの存在度異常がみいだされた場合、次の同位体比測定に十分な量が残されている。2002年4月に2カプセル30試料の照射/測定を行う。
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