2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13853003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸岡 啓二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20135304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 貴史 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80271708)
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Keywords | 精密ルイス酸 / 二重活性化 / カルボニル / キラル相間移動触媒 / グリシンエステル / 不斉アルキル化反応 / 不斉アルドール反応 / 不斉共役付加反応 |
Research Abstract |
本研究では、次世代の精密有機合成化学の強力な進展に向けて、精密酸塩基触媒の合理的、合目的な触媒設計を行ない、他の反応触媒では及びもつかないような反応性、選択性が獲得できるような、精密合成反応プロセス(触媒的不斉合成も含む)の確立を目指した。すなわち、精密ルイス酸触媒の創製では、Al-O-Al(X=O、ビフェニレンジオキシ)の部分構造がカルボニル基のふたつの非共有電子対に二点配位させることによって二重活性化が可能になり、その反応性、選択性の評価を詳細におこなった。それらの知見を幾つかの選択的有機合成反応に活用することによって、二点配位型ルイス酸の化学を押し進めた。二重活性化の度合いは、カルボニル/Al-X-Al錯体のNMR測定により、また、その理論計算によって明らかにした。一方、高度に芳香環を有するキラル相間移動触媒の新たなデザインとその触媒的不斉合成への展開を行った。今年度は特にキラル相聞移動触媒の単純化に焦点を当て、従来のふたつのキラル源を有するスピロ構造からひとつのキラル源への簡略化に成功し、それら一連の簡略化触媒をスクリーニングすることにより、グリシンエステル由来のキラルアンモニウムエノラートの実用的不斉アルキル化反応を行ない、最適の単純化型キラル相間移動触媒を考案することに成功した。一方、新たな不斉触媒反応開発として、グリシン誘導体とアルデヒド類との直截的不斉アルドール反応やニトロアルカンの不飽和エステル類への不斉共役付加反応を実現することができた。
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