2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13853007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常田 貴夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20312994)
中嶋 隆人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10312993)
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90251363)
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Keywords | 分子物理化学 / 電子相関問題 / 電子状態理論 / 多配置摂動法 / MRMP法 / 相対論効果 / Douglas-Kroll法 / QCASSCF法 |
Research Abstract |
本研究の目的は新しい分子理論の開発やアルゴリズム、ソフトウエアの開発をもとに「次世代の分子理論」を開拓し、「理論に先導された分子設計、反応制御」を達成することにある。特に数百から千原子系を定量的に扱える分子理論の開発を目標にしている。本年度は以下に述べるように、(1)新しい分子理論の開発、ソフトウエアの開発、(2)相対論的電子状態理論の開発、(3)大規模分子計算に向けた密度汎関数理論の開発および応用研究として(4)分子理論の触媒反応系への適用、の4つのテーマに重点をおいてプロジェクトを推進してきた。 大規模分子にも適用できるab initio分子軌道理論として、多配置摂動論(MRMP, MC-QDPT)などの開発を行い、分子の励起スペクトル、化学反応等に適用してきた。多配置摂動論は少ない計算コストで精度よく分子の電子状態を記述することができる方法として現在では確立した手法となっている。しかしメゾスコピック系を実際に取り扱うには、i)基底関数による物理量演算子の表現である多量の分子積分の高速計算、ii)メゾスコピック系の多数ある分子軌道の効率よい決定、iii)孤立分子だけでなく、溶液中の電子状態、反応の理論的記述に必要な溶媒効果の取り込み、表面における分子の電子状態、反応の記述を可能にするバルクの効果の取り込み、など数多くの解決すべき問題が残されている。これらの問題を新たな電子状態の手法、アルゴリズム、およびプログラムを開発することによって、一つ一つ解決していくことをめざしている。最終的にはこれらの手法を系統的に適用し、メゾスコピック系の電子状態計算を最初から最後まで、一貫して行うことができるようなプログラム・ソフトウェアを開発することを視野に置いている。すでに高速積分プログラムパッケージSPHERICAの開発に成功している。 重い原子を含む系を研究する際には相対論効果が重要になってくる。これまで困難とされてきた高次Douglas-Kroll法を開発した。また、新しいアルゴリズムに基づくDirac-Hartree-Fock法およびDirac-Kohn-Sham密度汎関数法を開発し、プログラムREL4Dを作成した。 密度汎関数法ではパラメータを一切含まないParameter-free交換汎関数の導出に成功した。また、パラレルアルゴリズムを採用した高速のDFTプログラムも作成した。 さらに開発された分子理論を実際の系、解くに触媒反応系、溶液内反応に応用し、原子・分子レベルでの反応機構や触媒効果を解析するとともに、触媒設計や反応制御の指導原理を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Yanai, H.Iikura, T.Nakajinia, Y.Ishikawa, K.Hirao: "An accurate four-component relativistic-density functional method for heavy-atom polyatomic systems"J. Chem. Phys.. 115. 8267-8273 (2001)
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[Publications] H.Nakano, J.Nakatani, K.Hirao: "Second-order quasi-degenerate perturbation theory with quasi-complete active space self-consistent field reference functions"J. Chem. Phys.. 114. 1133-1141 (2001)
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[Publications] H.Iikura, T.Tsuneda, T.Yanai, K.Hirao: "A long-range correction scheme for generalized-gradient-approximation exchange functionals"J. Chem. Phys.. 115. 3540-3544 (2001)
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[Publications] T.Tsuchiya, M.Abe, T.Nakajima, K.Hirao: "Accurate relativistic Gaussian basis sets for H through Lr determined by atomic SCF calculations with the third-order Douglas-Kroll approximation"J. Chem. Phys.. 115. 4463-4472 (2001)
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[Publications] Y.Akinaga, T.Nakajima, K.Hirao: "A density functional study on the adsorption of methanethiolate on the (111) surfa noble metals"J. Chem. Phys.. 114. 8555-8564 (2001)
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[Publications] T.Tsuneda, M.Kamiya, N.Morinaga, K.Hirao: "A transversing connection between density functionals"J. Chem. Phys.. 114. 6505-6513 (2001)