2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子系統学および化石記録に基づく日本の生物相の起源と形成プロセスの研究
Project/Area Number |
13854001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小澤 智生 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (80037233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 慶伯 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60221941)
林 誠司 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (40324397)
河村 善也 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00135394)
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Keywords | 分子系統学 / 化石記録 / 日本 / アジア / 生物相 / 起源 / 系統進化 / 新生代 |
Research Abstract |
日本の動物相の起源と系統進化を解明するため,陸生および海生の代表的動物種とそのアジアにおける近縁種の分析試料の収集を中心に研究を進めた.陸生動物では,哺乳類のツキノワグマ,ニホンジカ,ニホンイノシシ,は虫類としては,マムシ類,ハブ類,両生類としては,イモリ類,軟体動物としてはカワニナ類を重点的に日本各地のみならず,中国大陸,韓半島からも収集した.海生動物では,軟体動物のハマグリ,カキ類,カサガイ類,アワビ類,エゾバイ類の分析試料を日本およびアジア大陸沿岸から収集した.これらの分析試料からDNAを抽出し,PCRによるDNA断片の増幅と塩基配列決定を進めた.系統解析が進んだハマグリ類,エゾバイ類については,その系統進化について8月にウィーンで開催された国際軟体動物学会で発表した.また,琉球列島の生物相を代表するハブ類については,祖先種の渡来と琉球列島における固有化の過程を,6月の日本古生物学会のミレニアムシンポジウムで発表した.また,日本の脊椎動物相の起源を古生物学的に究明するため,中国安徽省の新第三系-第四系の洞窟堆積物中のげっ歯類を中心とした小型脊椎動物化石の発掘調査を行い,種の時空分布に関するデータの収集を行った.この調査の過程で,琉球列島の生物相の起源の有力な候補者と考えられる淮南大居山の前期更新世の哺乳類・は虫類動物群が発見された.今後の詳細な検討が期待される.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Endo, K.: "Nuclear and mitochondrial DNA sequences reveal unexpected genetic heterogeneity among northern Pacific populations of the brachiopod Lingula anatina"Marine Biology. 139. 105-112 (2001)
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[Publications] 小澤智生: "分子系統学的にみた日本の海生軟体動物群の起源"生物科学. 53. 144-147 (2001)
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[Publications] 小澤智生: "化石DNA,現存種の遺伝子情報による哺乳類の系統進化"学術月報. 54. 41-45 (2001)
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[Publications] 熊澤慶伯: "アロワナ淡水魚類のプレートテクトニクスによる大陸移動-分子時計と地質データの総合による新しい生物進化像の構築-"月刊地球. 23. 208-214 (2001)
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[Publications] Kimura, T.: "A new cetothere (Cetacea : Mysticeti) from the early Miocene of Japan"Journal of Vertebrate paleontology. 22(2)(in press). (2002)
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[Publications] Fujita, M.: "Middle and Late Pleistocene wild boar remains from locality 1 of Ube Kosan quarry in Yamaguchi prefecture and from the Kannondo cave site in Hiroshima prefecture, western Japan"第四紀研究. 40(2). 149-160 (2001)
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[Publications] 河村善也: "「日本列島の原風景を探る」第2章 最終氷期から縄文時代にかけての日本の動物相"京都精華大学創造研究所ライブラリー. 49-88 (2001)