2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子系統学および化石記録に基づく日本の生物相の起源と形成プロセスの研究
Project/Area Number |
13854001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小澤 智生 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (80037233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠司 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 講師 (40324397)
河村 善也 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00135394)
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Keywords | 分子系統学 / 化石記録 / 日本 / アジア / 生物相 / 起源 / 系統進化 / 新生代 |
Research Abstract |
日本の動物相の起源と系統進化を解明するために収集された日本の陸生および海生の代表的動物種とそのアジアにおける近縁種の分子系統解析を中心に研究を進めた.陸生動物では,哺乳類のツキノワグマ,ニホンジカ,イノシシ類,は虫類としては,マムシ類,ハブ類,両生類としてはイモリ類,魚類のオヤニラミ類,軟体動物のカワニナ類を,また海生動物では哺乳類のカマイルカ類,軟体動物のカキ類,アカガイ類,カサガイ類,アワビ類の分子系統解析を重点的に行った.系統解析が進んだニホンジカをはじめとした5分類群については論文をとりまとめ,国際誌に投稿した.海生軟体動物のカサガイ類については,その分子系統進化について国際誌上で公表した.また,琉球列島の固有生物相の起源を解明するために下部および中部更新統の含脊椎動物化石層の発掘を昨年度に引き続き行い,現生種の祖先種を含む多様な化石動物群の分類学的検討をすすめ,陸ガメについては最初の論文としてとりまとめた.また,本州で発掘を実施してきた上部更新統の哺乳類化石群について,その一部を論文として公表した.日本の脊椎動物相の起源を究明するため,中国科学院古脊椎古人類研究所,ロシア科学アカデミー極東支部,フィリピン大学などの研究者とアジアの哺乳類の系統学的研究を共同で実施し,日本の在来種との比較を行った.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakano, T., Ozawa, T.: "Phylogeny and historical biogeography of limpets of the Order Patellogastropoda based on mitochondrial DNA sequences"Journal of Molluscan Studies. 70. 31-41 (2004)
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[Publications] 河村善也: "アバクチ洞穴遺跡の完新世小型哺乳類遺体"北上山地に日本更新世人類化石を探る-岩手県大迫町アバクチ・風穴洞穴遺跡の発掘(東北大学出版会). 156-184 (2003)
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[Publications] 河村善也: "アバクチ洞穴遺跡の後期更新世脊椎動物遺体"北上山地に日本更新世人類化石を探る-岩手県大迫町アバクチ・風穴洞穴遺跡の発掘(東北大学出版会). 185-200 (2003)
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[Publications] 河村善也: "風穴洞穴の完新世および後期更新世の哺乳類遺体"北上山地に日本更新世人類化石を探る-岩手県大迫町アバクチ・風穴洞穴遺跡の発掘(東北大学出版会). 185-200 (2003)
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[Publications] Wei, G.B., Kawamura, Y., Jin, C.Z.: "A new bamboo rat from the Early Pleistocene of Renzidong cave in Fanchang, Anhui, central China"The Quaternary Research. 43(1). 49-62 (2004)
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[Publications] 町田 洋, 大場忠道, 小野 昭, 山崎晴雄, 河村善也, 百原 新(編著): "第四紀学"朝倉書店. 323 (2003)