2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 啓太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70272440)
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Keywords | 視床下部 / エストロジェン / 転写制御 / 性分化 / グラニュリン / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン / 黄体形成ホルモン / 性周期 |
Research Abstract |
性ステロイドは核内受容体と結合し、特定の遺伝子群の転写を活性化することによりその生理作用を発揮する。脳においては、発生過程の特定の時期(臨界期)に、雄ではアンドロジェンがエストロジェンへと代謝されて受容体と結合し、特定の遺伝子群が転写されることにより、その雄型への分化が起こる。一方、臨界期にエストロジェンの作用を免れて雌型へと分化した脳では、成熟後、エストロジェンによりやはり特定の遺伝子群の転写が起こり、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の一過的大量分泌(サージ)が誘起され、雌に特有の性周期が回帰する。さらに最近、エストロジェンが成熟期から老齢期における脳の退行性変化を抑制するなど、脳に対する保護作用をもつことが明らかとなってきた。本研究は、これら一連の性ステロイドの中枢作用の分子機構の解明を目指すものである。本年度の研究において、成熟動物の海馬歯状回における神経増殖や脳虚血後の回復がエストロジェンにより促進されることを示し、さらにこの作用がグラニュリン、インスリン様成長因子、脳由来神経栄養因子などの成長因子によりにより仲介されていることを示した。グラニュリンは我々がエストロジェンによる脳の性分化を仲介する因子として同定した成長因子であり、この結果はエストロジェンによる脳の性分化と保護作用が分子メカニズムを共有することを示唆する極めて興味深いものである。さらに、グラニュリン遺伝子のノックアウトマウスの作出に成功し、現在、その性行動、攻撃行動をはじめとする性的二型行動、及び虚血による脳障害の評価を行っており、性ステロイドの中枢作用おけるグラニュリンの役割の解明が期待される。
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Research Products
(5 results)