2005 Fiscal Year Annual Research Report
未来型天然資源を利用する微生物の分子細胞生物学的総合理解と応用機能開発
Project/Area Number |
13854008
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Research Institution | Graduate School of Agriculture, Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
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Keywords | C1微生物 / ホルムアルデヒド / 異種遺伝子発現 / 未来型資源 / 有用タンパク質生産 / 脂質変換酵素 / 細胞内タンパク質分解 |
Research Abstract |
本研究は、メタノールなどの還元型C1化合物やアルカンに生育する微生物を対象に、生化学的側面・分子生物学側面・細胞内構造的側面の3つの観点からその細胞機能について分子レベルでの解明を目指し、得られた分子基盤をもとに応用研究への糸口を探っている。本年度は、1.C1化合物の微生物利用代謝と調節機構、2.植物由来脂質変換有用酵素生産系の開発、3.タンパク質分解における膜ダイナミクスの分子機構と調節に関する以下の成果を得た。 1.C1化合物の微生物利用代謝と調節機構 C1微生物代謝において重要な化合物であるホルムアルデヒド代謝酵素のアーケアにおける発現制御を明らかにし、アーケアにおける生理的意義が五炭糖の合成にあることを明らかにした(J.Bacteriol.,187,3636(2005);J.Bacteriol.投稿中)。また枯草菌においてホルムアルデヒド応答に必要な転写因子とそのDNA結合性について世界で始めて明らかにした。(Mol Microbiol.57,511(2005))。 2.植物由来脂質変換有用酵素生産系の開発 メタノール資化性酵母を用いた異種遺伝子発現系を用いて、数種の植物由来の脂質変換酵素系の異種遺伝子発現を構築し、本酵母を脂質変換のための宿主としても利用できることを示した(FEBS Lett.,580,149(2006);Phytochemistry,66,1759(2005);Plant Cell Physiol.,47,64(2006)など)。 3.タンパク質分解を制御する因子と膜形成機構 本年度は、異種タンパク質を生産する条件においてもペルオキシソームがオートファジー系とユビキチン系の両経路で分解されうることを明らかにした(投稿準備中)。またオートファジー系が細胞内ATPレベルにより調節されていることがわかった(Biosci.Biotechnol.Biochem.,69,1483(2005))。またペルオキシソーム分解の際に出現する膜構造体で新しい脂質シグナル経路が働いていることを明らかにした(J.Cell Biol.改訂原稿投稿中)。
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Research Products
(18 results)