2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854013
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
黒 知博 関西医科大学, 医学部, 教授 (50178125)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大洞 将嗣 関西医科大学, 医学部, 助手 (40351506)
山崎 哲男 関西医科大学, 医学部, 助手 (90330208)
疋田 正喜 関西医科大学, 医学部, 講師 (60228715)
|
Keywords | BCAP / BCR / アダプター分化 / 転写因子 / c-Rel / B細胞分化 |
Research Abstract |
獲得免疫系の最大の特色は、その多様性及び寛容性である。無数の外来性抗原(非自己)を認識し、反応する一方、自己抗原に対して不応答性を示すという(寛容性)、極めてユニークなシステムを築き上げている。この機能を担っているのはB細胞の場合、B細胞レセプター(BCR)である。従って、BCRを介する抗原認識によって引き起こされるシグナル伝達機構の研究は、B細胞の分化・増殖・細胞死の運命制御機構を解明するための終身的課題である。BCRを介するシグナルの第一段階に複数のチロシンキナーゼ(PTK)群が関与することは明らかにされてきたが、これらPTK群のみの制御では多様な運命決定を説明することはできない。即ち、PTK群によって燐酸化されるターゲット分子群の多様性を考えると、これらターゲット分子群がエフェクター群へのアダプターとして機能し、エフェクターへの変換効率を制御することにより、シグナルの量的・質的変換を司っているのではないかと考えられる。 本年度は、申請者らが単離したアダプター分子BCAPがB細胞の最終分化、T細胞を要求しない抗体反応(TI-II反応)に必須であるという実験事実に基づき、その奥底にひそむメカニズムの解明に努めた。BCAP欠損、B細胞は野生型B細胞に化し、転写因子c-Relの顕著な減少が認められた。この減少が一義的にBCAP欠損におけるB細胞の最終分化障害に重要であることが判明した。即ち、BCAP欠損B細胞にc-Relを強制発現することにより、最終分化回復した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kurosaki, T.: "Checks and balances on developing B cells."Nat.Immunol.. 4. 13-15 (2003)
-
[Publications] Johmura, S., et al.: "Regulation of Vav localization in membrane rafts by adaptor molecules Grb2 and BLNK."Immunity. 18. 777-787 (2003)
-
[Publications] Yamazaki, T., Kurosaki, T.: "Contribution of BCAP to maintenance of mature B cells through c-Rel."Nat.Immunol.. 4. 780-786 (2003)
-
[Publications] Hikida, M., Johmura, S., Hashimoto, A., Takezaki, M., Kurosaki, T.: "Coupling between B cell receptor and phospholipase C-γ2 is essential for nature B cell development."J.Exp.Med.. 198. 581-589 (2003)
-
[Publications] Oh-hora, M., Johmura, S., Hashimoto, A., Hikida, M., Kurosaki, T.: "Requirement for Ras Guanine Nucleotide Releasing Protein 3 in coupling PLC-γ2 to Ras in B cell receptor signaling."J.Exp.Med. 198. 1841-1851 (2003)