2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 一知 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (90168435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
宮崎 純一 大阪大学, 医学部, 教授 (10200156)
中辻 憲夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80237312)
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Keywords | 胚性幹細胞 / バイオ人工膵 / 免疫隔離 / ランゲルハンス島(膵島) / 皮下移植 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 血管新生 / インスリン産生細胞 |
Research Abstract |
本研究は幹細胞関連の科学技術を駆使してインスリン産生細胞への分化機構を解明し、得られた細胞をバイオ人工膵のバイオリアクターとして利用することで、最終的には糖尿病の根治的な治療をめざしている。 幹細胞の分化誘導によるインスリン産生細胞の開発においては、マウス胎性幹細胞の分化誘導を試み、独自の方法で、従来報告されていない優れた機能を有する細胞を作成した。現在、より詳細な解析が進行中である。これとは別に、本来は際限なく分裂・増殖インスリノーマ細胞であるMIN6細胞を、培養条件の操作により、増殖能が弱くブドウ糖濃度に応じたインスリン分泌反応を示す細胞塊に変化させ、これをバイオビーズに加工することで、少なくとも一ヶ月間、in vitroで良好な形態と機能を維持させることに成功した。類似の方法は本研究で分化誘導されてくるインスリン産生細胞にも応用可能であることが期待される。 ヒトに応用可能な皮下移植タイプのバイオ人工膵デバイスの開発においては、イヌを用いた動物実験でその有用性を検討中であり、免疫隔離膜の組成や形態の詳細に関して最適化を図るべく試行している段階である。今後は下記抗補体作用ポリマーなどの併用やより移植に適した形状の開発を行う予定である。 皮下移植前処置用血管新生誘導デバイスの作成と改良では、basic fibroblast growth factorを徐放性に遊離するデバイスを作成し、膵島の同種皮下移植における有用性を確認した。さらに、抗補体作用を有するポリマーを用いた新規のバイオピーズ技術との併用により小動物間の異種膵島移植に成功し、ラットの膵島を用いてマウスの糖尿病を長期間にわたりコントロールすることができた。これにより、本研究の目的の一部である、糖尿病モデル動物におけるバイオ人工膵皮下移植システムの有効性が、小動物においてはほぼ確立し得たものと考えられる。今後はこの成果を上記のイヌにおける糖尿病治療実験に反映させてゆく予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kawakami Y. et al.: "Modified subcutaneous tissue with neovasclarization as the site of pancreatic islet translantation"Cell Transplant. 9. 729-732 (2001)
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[Publications] Kinoshita N. et al.: "Regulation of cell proliferation using tissue engineering in MIN6 cells"Cell Transplant. 10. 473-477 (2001)
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[Publications] Wang W.J.et al.: "Effect of basic fibroblast growth factor on insulin secretion from micro-encapsulated pancreatic islets ; An in vitro study"Cell Transplant. 10. 465-471 (2001)
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[Publications] Gu Y.J.et al.: "Development of a new method to induce angiogenesis at subcutaneous site of strepotozotocin-induced diabetic rats for islet transplantation"Cell Transplant. 10. 453-457 (2001)
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[Publications] Cui W.X, et al.: "The tissue-engineering pancreatic islets : Culturing the rat islets in the chitosan sponge"Cell Transplant. 10. 499-501 (2001)
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[Publications] Xu B.Y.et al.: "The innuence of anticomplement synthetic sulfonic polymers on function of pancreatic islets : an in vitro study"Cell Transplant. 10. 413-417 (2001)
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[Publications] Kawakami Y. et al.: "Successful subcutaneous pancreatic islet transplantation uslng angiogenic growth factor releasing device"Pancreas. 23. 375-378 (2001)
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[Publications] Wang W.J.et al.: "Reversal of diabetes in mice by xenotransplantation of bioartificial pancreas in a prevascularized subcutaneous site"Transplantation. 73. 122-129 (2002)