2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13854020
|
Research Institution | Institute for Frontier Medical Sciences, Kyoto University |
Principal Investigator |
角 昭一郎 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (80252906)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
宮崎 純一 大阪大学, 医学部, 教授 (10200156)
|
Keywords | 幹細胞 / ES細胞 / 糖尿病 / 膵島様細胞塊 / バイオ人工膵 / 皮下移植 / 血管新生 / 分化誘導 |
Research Abstract |
マウスES細胞から膵島様細胞塊を分化誘導する実験では、前年度のin vivoでの効果確認ののち、その分化過程をより詳細に検討する目的で、分化の各段階におけるRNAを抽出してマイクロアレイにより各遺伝子発現の変化を網羅的に解析する実験を行った。体性幹細胞の研究では、骨髄由来細胞の膵組織再生への組み込みを検討するため、GFPマウスを用いた実験を継続した。 バイオ人工膵デバイスの研究では、ポリビニルアルコール(PVA)を材料とし、膵島細胞凍結保存技術を応用した全く新しい作製方法を確立し、ラット膵島を用いた糖尿病マウスのin vivoでの治療実験を行い、有効性を確認した。さらに、バイオ人工膵の糖尿病合併症への効果を検討するため、糖尿病マウスに上記デバイスを移植し、約2ヶ月にわたり血液・尿・腎組織所見を検討して、その糖尿病性腎障害に対する有効性を確認した。また、ラット培養膵島に対するヒト新鮮血漿の組織障害作用を検討し、上記PVAデバイス化がこれを防止することを確認した。この新規PVAデバイスは、従来のチューブ型やバッグ型と異なり、細胞を組み込んだバイオ人工膵に仕上げるまでの作製方法や大型化が格段に容易である点で大きな利点と可能性を有している。今後は、このデバイスの最適化によって、将来的な臨床応用を目指す前臨床治療実験において飛躍的な成績向上が期待される。 血管新生の研究では、ラット背部の虚血性皮膚壊死(皮弁)モデルを作製し、これに対する新規血管誘導処置の効果を検討した。また、新規の方法で作成した比較的長期間にわたり虚血状態を持続するラット下肢モデルを用いて、皮下血管新生誘導処置などの血管再生治療への可能性を探求した。これらの成果はすでに口頭で発表しており、現在論文化の作業を推進中である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Wang WJ, Gu Y, Hori H, Sakurai T, Hiura A, Sumi S, Inoue K.: "Subcutaneous transplantation of macroencapsulated porcine pancreatic endocrine cells normalized hyperglycemia in diabetic mice"Transplantation. 76. 290-296 (2003)
-
[Publications] Watanabe H, Sumi S, Kitamura Y, Nio Y, Higami H.: "Immunohistochemical analysis of vascular endothelial growth factor and hepatocyte growth factor, and their receptors, in transplanted islets in rats"Surgery Today. 33. 854-860 (2003)
-
[Publications] Kim DH, Ishii M, Fujimiya M, Qi MG, Nakamura N, Yoshikawa T, Sumi S, Inoue K.: "In vivo functioning and transplantable mature pancreatic isletlike cell clusters differentiated from embryonic stem cell"Pancreas. 27. e34-e41 (2003)
-
[Publications] Sakurai S, Satake A, Nagata N, Gu Y, Hiura A, Kim DH, Hori H, Tabata Y, Sumi S, Inoue K.: "The development of new immunoisolatory devices possessing the ability to induce neovascularizaton"Cell Transplantation. 12. 527-535 (2003)
-
[Publications] Qi MG, Gu Y, Sakata N, Kim DH, Shirouzu Y, Yamamoto C, Hiura A, Sumi S, Inoue K.: "PVA hydrogel sheet macroencapsulation for the bioartificial pancreas"Biomaterials. (発表予定).
-
[Publications] 角 昭一郎, 日裏 彰人, 顧 元駿, 井上 一知: "再生医療の膵島移植への応用"移植. 38. 133-136 (2003)
-
[Publications] 角 昭一郎, 井上 一知: "Annual Review2003消化器.戸田剛太郎ほか編,膵移植-現状と展望"中外医療社. 68-73(6) (2003)