2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答の分子機構解明に基づく生物学的情報処理システムの理解と応用
Project/Area Number |
13854022
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一條 秀憲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 弘資 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (10313230)
松沢 厚 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (80345256)
西頭 秀起 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員(研究職) (00332627)
|
Keywords | ASK1 / MAPキナーゼ / アポトーシス / ストレス / カルシウム |
Research Abstract |
本研究計画は、ASKファミリーキナーゼ系を介したストレス応答の分子機構の解明を軸として「量の差を質の違いへ」という細胞内情報処理システムの作動機序を明らかするために、物理化学的ストレスによるASKファミリー活性化機構の詳細の解明を中心に研究を行なった。本年度は、カルシウムのシグナル伝達におけるASK2キナーゼ系の機能の解析を行い、以下の知見を得た。1)マウス骨髄由来マクロファージ様細胞(Bone Marrow Derived Macrophage ; BMDM)においてASK2がthapsigarginによるASK1,p38の活性化に必要であること、2)BMDMにおいては、thapsigargin刺激によるASK1,p38の活性化は主にカルシウムを介すること、3)細胞外カルシウムの流入によってASK2が活性化されることが明らかとなり、細胞外カルシウム流入 □ ASK2 □ ASK1 □ p38というシグナル経路の存在が強く示唆された。ASK2の生理機能がほとんど明らかにされていない状況で、ASK2が細胞内カルシウム濃度の上昇に応答し得ることを示した本研究の意義は大きい。今後はより生理的なカルシウムシグナルにおけるASK2およびASK1-p38経路の応答性と生理機能、またカルシウムによるASK2活性化機構およびASK2によるASK1活性化機構について、さらに解析を行いたい。
|
Research Products
(6 results)