2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答の分子機構解明に基づく生物学的情報処理システムの理解と応用
Project/Area Number |
13854022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一條 秀憲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 弘資 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (10313230)
松沢 厚 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (80345256)
西頭 英起 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員(研究員) (00332627)
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Keywords | ASK1 / MAPキナーゼ / アポトーシス / ストレス / カルシウム |
Research Abstract |
本研究計画は、ASKファミリーキナーゼ系を介したストレス応答の分子機構の解明を軸として「量の差を質の違いへ」という細胞内情報処理システムの作動機序を明らかするために、物理化学的ストレスによるASKファミリー活性化機構の詳細の解明を中心に研究を行なった。ASK1の活性化機構においては自身のホモオリゴマー形成が重要な因子であると考えられているが、ゲル濾過カラムによる解析結果から定常状態におけるASK1は様々な細胞種においてオリゴマーを中心とした2,000kDaにも達する高分子量複合体を形成していることが明らかとなった。さらに酸化ストレス存在下では、このASK1複合体がさらに高分子量化することも明らかとなった。このことは酸化ストレスによるASK1の活性化に伴う分子メカニズムに関して、ASK1の抑制因子であるチオレドキシンの解離だけではなく、他の制御因子との新たな複合体形成が生じていることを示唆している。そこで酸化ストレス依存的にASK1と複合体形成する因子を検討した。その結果、TRAF2、TRAF6、RIP1といったTNFやIL-1のシグナル経路において必須なアダプター分子が,酸化ストレス依存的にASK1と複合体を形成することが明らかとなった。現在、これら3つの分子が定常状態のASK1複合体をどのように制御しているかについて引き続き検討を行っており、これら分子群との結合乖離の量的差異がシグナルの強度、ひいては生物学的細胞応答にどのように反映されるかを明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(6 results)