2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13871007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
木村 健一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (60280327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 由希子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助手 (70325900)
美馬 義亮 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (60325892)
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Keywords | ThinkingSketch / AARON / ハロルド・コーエン / せんだいメディアテーク / 人工知能 / 絵画表現 / インタラクション |
Research Abstract |
2001年6月から開始した本研究は、並行して進めている「コンピュータと人間がインタラクションしながら絵画を生成する」アプリケーション・ThinkingSketchの開発で得られた知見を、検証し学会発表するところから始まった。国内外における調査は、日本認知科学会、情報処理学会夏のプログラムシンポジウム、日本ソフトウエア科学会、アジアデザイン会議、日本デザイン学会、芸術科学会、日本ソフトウエア科学会WISS2001に参加する中で行った。 更にWeb上と文献による予備調査を経て、平成12年12月21日〜12月23日にせんだいメディアテーク内で人工知能画家AARONの開発者ハロルト・コーエン氏にインタビューを実施した。インタビューの総時間数は180分にのぼった。インタビューの正確さを期すため、会話の全てをビデオにより録画した。そのビデオは翻訳家に依頼して英文ドキュメントに書き換え、更に邦訳を行い研究分担者も加わって撮影ビデオと比較しながら邦訳を精査した。 このインタビューは、本研究グループが開発したThinking Sketchの公開展示会をせんだいメディアテークで開催するのを機会に実現した。 また、会期中に本研究のテーマでもある「人工知能による絵画表現の現状と将来像の解明」を題材に、Errki Huhtamo氏(UCLA)、草原真知子氏(神戸大学)とコーエン氏による講演会を実施した。 これらの研究活動により、今年度次のような事が明らかになった。 抽象画家として活動を開始したコーエン氏が自らの画法を独自の算法を用いて変換する作業をしたことにより、コンピュータソフトウエアが一種の人工知能として機能し、スイッチが入っている限り同一テーストの絵画を無限に生成するに至った経緯を確認することができた。 また、この試みはいくつかの層構造をもつプログラムによって実現されており、その描画戦略の概略の説明を受けることにより、われわれのグループが開発を行うThinking Sketchとの類似点や相違点のいくつかが明らかになった。 インタビューと講演会を実施にしたことにより、海外の研究者や芸術家の本分野での活動の一端を知ることとなった。海外への調査の必要性と重要性が高まった。そこで、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、シンガポールの研究機関、美術施設への調査旅行を実施することとなった。
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