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2003 Fiscal Year Annual Research Report

ランダムネスの知覚と感性評価

Research Project

Project/Area Number 13871010
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

三浦 佳世  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60239176)

Keywordsランダムネス / パターン配置 / 美的評価 / パターンの記憶 / 規則性 / DnnのSD / 制作意図の伝達 / 感性
Research Abstract

人は必ずしも意識化できない手がかりをもとに、直観的に正確な判断を下すことができる。そうした能力を感性情報処理の一端と考えると、でたらめさ(ランダムネス、あるいは逆に、隠れた秩序)についての評価も、この能力のひとつであると考えられる。本研究は、ランダムネスの知覚と評価を通して、感性情報処理のあり方を考えることを目的に行われた。
本年度は、昨年度に制作法で得たドットパターンを用い、1)物理特性としてのDnnのSDとパターンの印象との関係、2)鑑賞者への制作意図の伝達と評価、ならびに、3)記憶実験を利用してのランダムネスの規定因の検討を行った。
規則的、ランダム、デザインの教示のもとで制作されたドットパターンを別の評定者に分類させたところ、ランダムとデザインを分けるものは、制作者の意図あるいは隠れた秩序が伝わるか否かにあることが示唆されたので、ランダムパターンのみを用い、ランダム度評定および多次元からのパターンの印象評定を行い、物理値(DnnのSD)と印象評定値のいずれがランダム度を反映するかを調べた。その結果、物理特性であるDnnのSDとランダム度の間には相関が見られず、一方、ランダム度もそのひとつである規則性因子の得点とデザイン性に関わる美的因子の得点には相関のあることが示された。また、ランダム度は記憶における負荷と関連するという仮説を立て、パターン布置の再認実験を行ったところ、ここでも、物理値であるDnnのSDではなく、刺激パターンの印象が記憶成績に影響する可能性が示された。すなわち、規則的で美的かつ一般的な評価の高い「よいパターン」は記憶を促進させる可能性が示された。
これらの結果は、ランダムネスが特定の物理値よりもパターン全体の主観的な印象と相関することを示しており、心理量と物理量の関係ではなく、心理量相互の関係から予測式を立てた方が当てはまりのよいことを示唆している。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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