2001 Fiscal Year Annual Research Report
心的外傷(トラウマ)治療に携わる援助者に心理社会的変容に関する理論構築
Project/Area Number |
13871032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
池埜 聡 関西学院大学, 社会学部, 講師 (10319816)
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Keywords | 代理受傷 / トラウマ / PTSD / 二次受傷 / 質的調査 / ソーシャルワーカー / 心理社会的変容 / 被害者支援 |
Research Abstract |
平成13年度では、以下の7段階からなる調査研究が実施された。 第1段階:国内外のソーシャルワーカーを含む援助者のメンタルヘルスに関する包括的レビューと代理受傷に関する理論的・実証的研究の整理。代理受傷に関する国内の実証研究は皆無に等しく、アメリカの先行研究を全てレビューする。第2段階:帰納的手法による探索的インタビュー(半構造面接)の実施に向けて質問項目を選定する。包括的文献レビューから代理受傷のメカニズムに関する理論構築に向けて必要なインタビュー項目を導き出し、フォーマットの作成を行う。第3段階:標準化された評価尺度の使用をめぐる検討。GHQ30、IES-Rなど援助者の健康度とトラウマ反応を測定する評価尺度の収集と導入方法を検討する。第4段階:調査倫理の確定。インタビューによる心理的影響及びその対処に関する倫理的事項を整理しフォーマットを作成。第5段階:予備的インタビューの実施。意図的サンプリングによる予備的インタビューを実施し、インタビュープロセスと質問内容の調整を行う。第6段階:インタビューのテープ起こし。予備的インタビューの内容についてテープ起こしを実施し、内容の検討とインタビュー方法の調整、さらに本調査に向けての分析方法の検討を行う。これらの6段階の調査プロセスに加えて、質的分析のためのコンピュータソフト(NUDIST-5,ATLASti)による分析方法の検討も行った。これら英語対応を前提とするソフトを日本語対応に変換することに成功し、コーディングによる内容分析への応用が可能となった。 以上、代理受傷に関する理論構築に向けてインタビュー調査を実施する予備的段階をほぼ完了した。本調査として理論的サンプリング及びインタビューの実施、さらに分析から結果の集積に向けて展開できる体制を構築することができたと判断する。
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Research Products
(1 results)