2001 Fiscal Year Annual Research Report
大学生のボランティア学習の評価に関する実証的研究-ポートフォリオ評価の手法を手がかりに-
Project/Area Number |
13871036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
畑 克明 島根大学, 教育学部, 教授 (70198737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清國 祐二 島根大学, 教育学部, 助教授 (60252889)
権藤 誠剛 島根大学, 教育学部, 助教授 (00153776)
山下 政俊 島根大学, 教育学部, 教授 (20032633)
高旗 浩志 島根大学, 教育学部, 講師 (20284135)
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Keywords | ボランティア学習 / ポートフォリオ評価 / 学外活動 / 体験活動 / 意識変容 / 態度変容 / 単位認定 / 評価観 |
Research Abstract |
本年度は概ねふたつの研究成果が得られた。ひとつは、社会教育コース当該研究室で開設している「学習ボランティア基礎」(1単位:第1セメスター)及び「学習ボランティア実習」(1単位:第2セメスター以降に取得)の受講者を対象とした、ボランティア活動体験とその内面化のプロセスを明らかにするための調査法の開発である。「学習ボランティア基礎」では、青少年社会教育施設との緊密な連携によるプログラム開発を行い、そのプログラムに参加した学生に対し、活動の記録を取ったり、学生自身に活動記録や感想を記述させた。「学習ボランティア実習」では、社会教育施設から申し入れのあったボランティア活動のメニューから学生が選択参加し、その成果を報告書としてまとめさせた。それらの記述を分析すると、少年期の体験不足が鮮明となる方で、ボランティア活動への参加にはその穴を埋める可能性があることが明らかとなった。 もうひとつは、経験学習やポートフォリオ評価に関する国内外の書籍を収集し、理論的枠組みを構築する文献基礎研究である。国内の文献については原則過去3年間の収集が終わり、分析に入ったところである。国内ではポートフォリオ評価の理論は学校教育、とりわけ「総合的な学習の時間」の中で使用されており、社会教育における学習成果の評価への援用は限られていた。これは学校教育と社会教育の評価観の相違によるものと考えられる。海外の動向を調査するための文献収集を行ったが、学外経験の単位認定に係る各大学への指導的役割を果たす「成人及び経験学習協議会(CAEL : Council for Adult and Experiential Learning)」等の調査研究書等に始まり、教師教育への導入、新しい教育方法へと多様な用いられ方をしている。十分な分析は次年度の課題となるが、ポートフォリオ評価の重層構造を明らかにしたい。
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