2001 Fiscal Year Annual Research Report
中南米出身の日系人を巡る相互支援ネットワークについての人類学的研究
Project/Area Number |
13871042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
梶田 純子 関西外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70268382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生月 亘 関西外国語大学, 短期大学部, 講師 (90300285)
谷本 和子 関西外国語大学, 国際言語学部, 助教授 (40269816)
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Keywords | 日系人 / 移民 / ネットワーク / 中南米 / 人口移動 |
Research Abstract |
大阪府枚方市周辺の日系人の来日は、当初は主にブローカーなど、特定の仲介者による斡旋または現地の新聞広告により、特定の地域や企業に就業し、その仲介者や企業が用意した住居に住んでいた。ここ数年、日本の経済的不況により、リストラ・解雇というケースも増え、ある特定の地域に居住しているとか、ある企業に大量に就業しているという傾向が若干減り、仕事先を求めて、日本各地へ分散していったと思われる. この求職には、彼等のネットワークが問われるし、現在は携帯電話、インターネットという新しい媒体により、さらにこの傾向を強めていったと思われる。 13年度はこういう傾向を掴むために、枚方市周辺の南米系住民へのインタビューを試み、実体把握に努めた。特に、枚方カトリック教会にはスペイン人の神父が複数いるし、月に一度ポルトガル語によるミサも行われているため、自然と集まってくる南米人たちの様子を調査することができた。さらに6月にはブラジル人による祭りが同教会で行われたので、関西周辺の在日ブラジル人にインタビューすることができた。 さらに、名古屋周辺に南米出身の日系人が多数就業・居住していると言われるので、名古屋への調査を実行し、名古屋におけるカトリック教会の役割や南米出身の日系人の実態等、教会の神父にインタビューした。 また3月には同じく南米出身の日系人が多数居住すると言われる、神奈川県藤沢市や群馬県太田市周辺を調査し、その数的実態、就業状況、居住地、情報交換の方法など、市役所の住民相談室や食料品店などを調査した。これにより、かなりの分散傾向があること、移動が激しく行われていることなどがわかった。
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