2003 Fiscal Year Annual Research Report
多民族社会形成の歴史と現状の比較研究:東南アジア、ハワイ諸島、日本
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13871047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桃木 厚子 (大橋 厚子) 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (80311710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 人文社会学部, 助教授 (90336701)
高橋 公明 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (50171476)
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Keywords | 東南アジア史 / フィリピン人ディアスポラ / 名古屋のフィリピン人 / ナマコ |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるので、次の研究の踏み台とするために、研究成果を公刊することとした。各自の研究トピックについてそれぞれ必要なフォローアップ調査を行い、12月20日に東南アジア史学会中部例会と合同でワークショップを行った。そして『多民族社会形成の歴史と現状-フィリピン諸島出身の人々を中心に-』と題するフィリピン人ディアスポラに関する報告書を刊行した。大橋(研究代表者)は、フィリピン人ディアスポラの巨視的歴史的位置づけを試みるべく、人間集団の移動という視点からハワイと日本を含む東南アジア史のスケッチを試みた。赤嶺(研究分担者)は、東南アジア・太平洋諸島におけるナマコ採集・集荷ネットワークの歴史的経緯が、近年のこの地方へのフィリピン人出稼ぎの背景にあることを指摘した。高畑(研究協力者)は、名古屋在住のフィリピン人と日本人住民の間に今生まれつつある関係を記述した。塚本(研究協力者)は在スペインのフィリピン人移民のスペイン人観を記述したが、これは旧植民地宗主国に帰化する移民の事例として本研究の視点を相対化するものである。さらに高畑の書いた、在日フィリピン人研究の研究史(英語)を採録したが、とれは、今年度英訳した日本における地域研究の手法に関する論文と共に、研究期間中に情報を提供してもらった英語圏の研究者への返礼を兼ねている。 これらの活動の結果、各国の移民出稼ぎ労働者の現状は受け入れ国家の政策、近代化の過程地方と中央の関係に大きく関係し、これらの側面からの比較検討することが有意義であることが判明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大橋厚子: "1820年代ジャワ島西部プリアンガン地方における賦役貢納と世帯-あるいは、男をお上に差し出す条件-"南方文化. 30. 1-19 (2003)
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[Publications] Akamine Jun: "Eat or not? : Reconsideration of "depleting" resource exploitation."Proceedings of the 8th Symposium on Chinese Dietary Culture 4-1. Taipei : Foundation of Chinese Dietary Culture.. 1-37 (2003)
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[Publications] 赤嶺淳: "干ナマコ市場の個別性-海域アジア史再構築の可能性"海洋資源の利用と管理に関する人類学的研究(岸上伸啓編)国立民族学博物館調査報告46. 265-297 (2003)
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[Publications] 赤嶺淳: "饗宴と狂演の舞台裏-アジア史におけるナマコの位置づけ"先住民と水産資源(北海道立北方民族博物館編). 48-57 (2003)
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[Publications] 高畑 幸: "石井由香編『講座 グローバル化する日本と移民問題』第II期第4巻 第7章 国際結婚と家族-在日フィリピン人による出産と子育ての相互扶助"明石書店. 328 (2002)