2001 Fiscal Year Annual Research Report
ハプスブルク帝国領ガリツィアのイディッシュ語ユダヤ人問題に関する史料的研究
Project/Area Number |
13871048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中沢 真理 金沢大学, 経済学部, 教授 (20164741)
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Keywords | ユダヤ人 / ガリツィア / ハプスブルグ帝国 / イディッシュ語 |
Research Abstract |
研究計画段階では、今年度はポーランドのクラクフのユダヤ文化センターで、リヴィウ(レンベルク)のユダヤ関係史料に関する情報と専門家の紹介をえる予定であったが、リヴィウのウクライナ国立中央歴史アルヒーフの館員ナディア・フランコ女史と直接連絡がとれたため、2001年10月21日から11月5日までリヴィウに赴き、中央歴史アルヒーフをはじめとして、ウクライナ科学アカデミー図書館、リヴィウ大学図書館、ショーレム・アレイヘム・ユダヤ文化協会で、ハプスブルク帝国時代のリヴィウのユダヤ人関係史料の所在について情報を収集した。 調査の結果・リヴィウのユダヤ人関係史料およびかつてユダヤ人ゲマインデが所蔵していた書籍のほとんどは、第二次世界大戦中にナチスによって破壊され、破壊を免れたものも、ソビエト時代に所在不明となったこと、しかし中央歴史アルヒーフには、ハプスブルク時代のリヴィウのユダヤ人に関する膨大な数の公文書(ドイツ語およびポーランド語)が残されていることが判明した。この公文書を用いた本格的な研究はいまだ行われておらず、今後の研究への活用が期待される。またハプスブルク時代ではないが、リヴィウ州立アルヒーフには、戦間期(1918〜1939)ナチス占領期(1941〜1944)ナチスからの解放後1992年までの3期に分けて、ユダヤ人関係の公文書が残されている。 調査にさいしては、リヴィウのユダヤ人史の専門家タイシア・ポトゥルニツカ女史とキエフのウクライナ科学アカデミーの研究員で歴史家のヴォロディミル・ポトゥルニツキ氏の世話になり、中央歴史アルヒーフのフランコ女史とともに、今後の史料調査にとって貴重な協力体制を築くことができた。 なおこの萌芽的研究の研究成果の発表にさいしては、通称「野村真理」を使用している。
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Research Products
(2 results)