2002 Fiscal Year Annual Research Report
言政学の可能性インターネット時代における言語境の誕生
Project/Area Number |
13872008
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
出口 正之 総合研究大学院大学, 教育研究交流センター, 教授 (90272799)
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Keywords | Linguapolitics / Lingua-politics / Hub-language |
Research Abstract |
82カ国の研究者が所属する国際NPO/NGO学会(ISTR。本部米国ジョンズ・ホプキンス大学)のケープタウン大会で発表。 日本語で当初考えた用語についてすべて英語のキーワードを作成した。重要なものは以下の通りである。 (1)LinguapoliticsまたはLingua-politics 言政学という用語を表す。 (2)Hub-language 三ヶ国語以上の人が集まったときに媒介的に使用される言語をハブ言語と定義。 (3)Key-language 大陸をまたがり5カ国以上で、通常、使用されている言語。現代では英語、スペイン語、アラビア語、フランス語がその代表。 その結果、言政学の考え方は非常に幅広い母国語を持つ研究者に受け入れられた。国際共同研究の申し出もあり、検討を行った。また、国内では一般書の中の1章として、広く一般に公開。批判も含めて多様な反応があった。純粋に「萌芽性」の高い研究であり、成果というよりも、国際的なセンセーションを巻き起こし、国際学会で幅広い支持を得たことは特筆に値する。なお、研究代表者は本研究が、国際学会の理事のノミネーティング委員会で強く指示され、president-elect(次期会長)の候補者の一人となり、投票の結果、アジア人としては初めての次期会長の要職につくことになった。本学会は、82カ国の多言語の研究者を会員とし、会員間の「非差別政策」を採用している。民主主義の観点から、言政学の考え方は学会運営そのものに直結し、学会運営が参与観察としての研究の側面を有することになった。
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Research Products
(1 results)