2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13873015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
SHRESTHA M.L 甲南大学, 経営学部, 教授 (90248097)
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Keywords | インド / ソフトウェア / 新経済政策 / アウトソーシング / IT(情報技術)産業 / NASSCOM(インド全国ソフトウェア・サービス業協会) / IT Enabled サービス / 雁行形態発展モデル |
Research Abstract |
ソフトを含めたIT産業全体のインドにおける成長率は、近年驚異的な伸びを示している。新経済政策の開始された1991年には、さしたる産業とは認められなかったIT産業であったが、その2000年度の売上げは、約83億ドルに上り、40万人の雇用を創出、インドの輸出を15%も押し上げたとの分析もある。そして、その年平均の成長率は50%増である。また、Fortuneが選んだ世界の優良企業500社のうち、104社がインド企業にソフトウェアのアウトソーシングを行っている。90年代初頭まで低迷を続けてきたインド経済の実績とは対照的に、インド経済は、「IT産業」によって、新しい躍進を遂げつつある。 だが、ここで、重要なことは、いかにインドがIT産業において国際優位性を確立しつつあるのかということだけではない。製造業を発展させてきた既存の産業インフラを充足せずして、このような一大産業を成長させたおそらく、最初の国であるインドにおいて、いかにこのIT産業は産業としての離陸をなし得たかに注目しなければならない。つまり、インドは、確固たるインフラを欠いた状況で、IT産業を離陸させたが、その背景にある経済政策の転換にも目を向けなければならないのある。そして、その軌跡に基づく国際優位性の分析こそが、製造業に基づく雁行形態的経済成長の枠組みとは別の新たな経済発展モデルの示唆にも繋がると考える。 本年度は、それらの問題を念頭に置きつつ、まず、インドIT産業の成長の契機となった経済転換の研究を顧みた。そして、特にITのうちのソフトウェア産業に焦点を当て、NASSCOM(インド全国ソフトウェア・サービス業協会)加盟企業に対する聞き取りを通して、その成長要因を課題とともに検討し、IT産業におけるインドの国際競争優位性の実態を検討した。
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Research Products
(1 results)