2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13873015
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
SHRESTHA M.L 甲南大学, 経営学部, 教授 (90248097)
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Keywords | インド / IT産業 / ソフトウェア / SE(システムエンジニア) / 日本進出 / 国際分業 / IT技術者 / アウトソーシング |
Research Abstract |
日本企業で働く外国人システムエンジニア(SE)が増加しているが、その中でも、インドのSEの存在は大きいものとなりつつある。そして、インド人SEはソフトウェア開発の下請的存在ではなく、既に中核を担いつつある。外国人SEの増加の背景としては、日本における技術者不足の深刻な状況がある。特に90年代半ばのバブル経済の崩壊で、日本企業が情報化投資の抑制に乗り出したため、1995年の情報サービス業の従業員数は40万7千人と、その前のピークだった91年に比べて2割近く減少した。しかし、その時期は、世界がインターネット時代に突入した時期であった。日本は、その重要な時期に、ネット時代を担う人材の育成に対しての投資を抑制してしまったために、深刻な人材不足を招いてしまった。その人材不足の解消として、注目されているのが、インド人SEをはじめとする外国人技術者の存在である。 インドからのソフトウェア会社の進出も1990年代から目立っている。欧米企業との取引で、実力をつけたソフトウェア会社が、日本にも取引先を求めて進出してきたのである。その数は、現在約50社にも上る。全世界に1万9千人の技術者を抱えるインド最大のソフトウェア会社、タタ・コンサルタンシー・サービスズも約百人の最高レベルの技術者を日本に駐在させているという。 日本企業としても、今から、進歩の激しい分野での人材確保にあっては、日本国内からの供給に固執することなく、むしろ、多様化するニーズに即応できる柔軟な人材として、インド人技術者の利用に積極的に乗り出している。既に、日本においても、ソフトウェアをめぐっての分業体制は、インド人をはじめとする外国人技術者を巻きこんで進んでいるといえる。
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