2003 Fiscal Year Annual Research Report
高次元対数的シンプレテック多様体とパンルベ方程式の高次元化
Project/Area Number |
13874003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
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Keywords | パンルベ方程式系 / シンプレクテック構造 / 岡本・パンルベ対 / ハミルトオン系 / 有理曲面 / 小平・スペンサー理論 / 初期値空間 / Riemann-Hilbert対応 |
Research Abstract |
平成15年度においては、研究代表者は、岡本・パンルベ対の高次元化,パンルベ型方程式の幾何学的特徴づけについて考察し,下記にあげるような成果を得た. ●平成14年度に続いて,九州大学の岩崎氏,稲場氏とともにパンルベVI型方程式の初期値空間を,射影曲線上の4点確定特異点をもつ安定放物接続のモジュライ空間として定式化し,構成,非特異性の証明,自然なコンパクト化の構成を行った.また基本群の表現のモジュライ空間とのRiemann-Hilbert対応の構造を解析し,Riccati解の部分は,基本群の表現のモジュライの特異点に対応すること,またBacklund変換は,自然な幾何学的な双有理変換であり,いわゆるFlopという双有理変換であり,またそれによりパンルペ方程式は不変であることを示し,幾何学的な意味づけを行った.またRiemann-Hilbert対応がモジュライ空間の正則シンプレクテック構造を保つ超越的な解析同型であることも示した. ●上記の結果は,n点確定特異点をもつ射影曲線上の安定放物接続のモジュライ空間の構成Riemann-Hilbert対応が全射かつ固有な解析的双有理写像である事を最終的に示した.これにより,ガルニエ系を含んだパンルベ性の厳密な証明が完成した.また,高次元のシンプレクテック特異点およびその特異点解消,また高次元のシンプレクテックFlopとBacklund変換の関係を明らかにした.これらの結果は下記の投稿中のプレプリントにある. ●M.Inaba, K.Iwasaki and M.-H.Saito, Moduli of Stable Parabolic Connections, Riemann-Hilbert correspondence and Geometry of Painleve equation of type VI,Part I,(2003).71 pages, math.AG/0309342.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Inaba: "Backlund transformations of the Sixth Painlev'e Equations in Terms of Riemann- Hilbert correspondences"Internal.Math.Res.Notices. 1. 1-30 (2004)
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[Publications] M.-H Saito: "Classification of Okamoto-Painleve pairs"Kobe.J.Math.. 19. 21-50 (2002)