2001 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡系に現れる多次元孤立波パターンの数理モデル構築
Project/Area Number |
13874018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 知之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80211811)
|
Keywords | 孤立パターン / Swift-Hohenberg方程式 / 六角パターン / 多重安定 / 粒流体 |
Research Abstract |
粉粒体の物理に現れるパターン形成・発展は非常に特徴的で興味深い。しかしながら粉粒体の多次元パターンの数理的な解析はほとんど行われていないのが現状である。それは、多くの場合、まず基礎方程式がないことに由来するが、仮に何らかの縮約方程式があってもソリトンなどの可積分構造と散逸構造がバランスした形で現れたり、また散逸構造でも複雑なものに属するからである。それを数理的に明らかにすることが本研究の目指すところである。 スウィフト・ホヘンバーグ方程式は、熱対流のロールパターン形成の縮約モデルであるが、振動場での粉体のパターン形成などとの関連性が指摘されている。熱対流の通常の問題(レイリー・ベナール対流)では六角パターンなどの複合波は安定には存在しないことが知られているが、、これに対して振動場の流体や粉体では振動周期によって異なる周期パターンが安定に観測される。一番簡単な場合には5次の非線形性を持つスウィフト・ホヘンバーグ方程式に帰着され、それによって説明される。すなわち周期解の構造をモード相互作用により調べると、3次のときより分岐構造はより豊富で、六角パターンなどの安定性が示された。より詳しくはたとえば亜臨界的に複合モード解が分岐し狭いパラメータ領域ではあるが分岐枝がターニングした複合モードが安定に得られた。これにより数々の複合モードや単一モードまた定数状態が同時に安定である状況もあり、粉体の実験グループが見つけている興味深い孤立パターンなどと関連するのではないかと考えられる。まずはその前に、こうした複合モードの分岐と多重安定性をより詳細に調べることが不可欠でこれらは次年度の課題である。
|
Research Products
(1 results)