2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13874020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 充宏 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10136418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 善隆 九州大学, 情報基盤センター, 助教授 (90243972)
吉川 敦 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (80001866)
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Keywords | 計算機援用証明 / 精度保証付き数値計算 / 解の数値的検証 / 数式処理と数値処理 / 計算機支援解析学 / 計算可能性構造 |
Research Abstract |
本年度は数値計算、特に精度保証付き数値計算と、数式処理を主とする記号処理技術とを結びつけ、計算可能性の観点を含めて、新たな計算機援用解析学構築の可能性を探るため以下の検討を行った。即ち、偏微分方程式の解の存在に対する数値的検証は、これまで数値的に与えられた個別データに対する検証であったが、これを記号を用いて規定された関数族に対する検証に拡張し、その実例を与えることを試みた。その場合の関数族の規定が計算機内でどのように実現できるかを、数値処理・数式処理の両面から検討し、計算機処理可能なための基本的原理を明らかにすることをめざした。 具体的には、代表者(中尾)は、分担者渡部と協力して、下記の問題に関して、数値的検証(精度保証付き数値計算)と数式処理技法の融合可能性について検討した。 また、7月には中尾が精度保証の研究で先駆的業績を上げているドイツのM. Plum教授(Karlsruhe大)を訪問して研究計画のレビューと研究討論を行った。 (1)非線形楕円型方程式 非線形性を数式処理で扱う可能性について検討 (2)楕円型固有値問題及び逆固有値問題 単一の数(固有値)の検証を行うことの特徴付け (3)Navier-Stokes方程式 熱対流問題の解の存在検証における数式処理技法の活用 一方、分担者の吉川は、双曲型保存則のエントロピー解が計算可能なデータに対し、計算可能な写像として得られることを非粘性Burgers方程式の場合にPourEl-Richards流の可積分関数空間の計算可能性構造を援用して検討した。一般的な場合にも、同様の主張の成立が予想できる。また11月にはドイツDagstuhl Seminar「Computability and complexity in analysis」に参加し、研究発表・討論を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nakao, M.T.: "Numerical verification methods for solutions of ordinary and partial differential equations"Numerical Functional Analysis and Optimization. 22(3, 4). 321-356 (2001)
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[Publications] Nakao, M.T.: "Verified numerical computations for an inverse elliptic eigenvalue problem with finite data"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. 18, No.2. 587-602 (2001)
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[Publications] Nakao, M.T.: "A guaranteed bound of the optimal constant in the error estimates for linear triangular element"Computing Supplementum. 15. 165-173 (2001)
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[Publications] Yoshikawa, A.: "Interpolation functor and computability"Theoretical Computer Science. (掲載決定).