2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13874048
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
光永 正治 熊本大学, 理学部, 教授 (90332882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元吉 明夫 熊本大学, 理学部, 助教授 (30040108)
藤井 淳浩 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (30034375)
|
Keywords | 量子干渉効果 / 原子気体 / 電磁誘導透過 / コヒーレントポピュレーショントラッピング / レーザー冷却 / 暗状態 / ポラリトン / 非線形光学 |
Research Abstract |
ガラス中のナトリウム原子蒸気を用いて、量子干渉効果の観測を行なった。まず、基底準位超微細構造分裂周波数(1772MHz)だけ周波数の違うカプリング光とプローブ光を照射することによる蛍光の消失現象(コヒーレントポピュレーショントラッピング)を観測した。信号は蛍光スペクトルにおけるディップ信号として現れ、その線幅は、ドップラー幅(約1GHz)や白然幅(10MHz)よりはるかに狭いもので、励起光強度に比例して拡がる。これより、信号はΛ型3準位系に起因する、2光子共鳴型であることが分かった。また、試料に磁場をかけることによる超微細ゼーマン分岐のようすも解析することができた。結果は、ブライト-ラビの公式を正確に反映したものとなり、2光子共鳴の選択則に従うことも分かった。解析結果に関しては、現在投稿中である。 また、このような3準位系を伝搬する2つのパルス光の様子を理論的に解析した。カプリング光の強度の制御により、プローブ光の伝搬を制御することができ、パルスは暗状態ポラリトンとして伝搬する。数値解析を用いて、実際にプローブ光の情報を試料に閉じ込めておくことができることを明らかにした。このとき、プローブパルス波形は、いくつかの仮定のもとで、系のサブレベルコヒーレンスの中に記録される。 このような光情報記録の原理確認として、カプリング光を用いたプローブ光の書き込みと読み出しの実験を行なった。カプリング光とプローブ光を同時に照射し、系への書き込みを行なう。この情報は、サブレベルコヒーレンスの持続時間、約O.33マイクロ秒程度保持できる。この間にカプリングパルスを照射して、プローブ光を読み出すことができた。これらの結果は、学会発表すると同時に、論文投稿を検討している。今後は、バッファーガス入りのセルによる記録時間の増大、複数ビットの記録等に挑む予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 光永正治: "新しい原理のレーザー(2)-反転分布のないレーザー-"光学. 30巻. 538-542 (2001)
-
[Publications] A.Fujii, T.Ono, W.Yu: "Optica1 absorption of confined excitons of TlCl microcrysta1s evaporated on PMMA thin films"J. Phys. Soc. Japan. Vo1.70, No.1. 585-587 (2001)
-
[Publications] A.Fujii, K.Takiyama, R.Maki, T.Fujita: "Lifetime and quantum efficiency of luminescence due to indirect excitons in a diamond"J. Luminescence. Vol.94-95. 355-357 (2001)
-
[Publications] T.Yoneda, A.Nagasato, T.Akamine A.Motoyoshi: "Study of decoherence with a generalized master equation"Physics Letters A. Vol.280, No.5-6. 271-274 (2001)
-
[Publications] T.Yoneda, A.Nagasato, T.Akamine, A.Motoyoshi: "Modified Green mode1 and the origin of decoherence"Il Nuovo Cimento. Vol.116B, No.1. 73-83 (2001)
-
[Publications] T.Yoneda, A.Nagasato, T.Akamine, A.Motoyoshi: "Continuous transition from quantum to classica1 system"Il Nuovo Cimento. Vol.116B, N0.5. 563-573 (2001)