2001 Fiscal Year Annual Research Report
降雪中における海塩起源物質濃度の空間分布とそれを決めている要因について
Project/Area Number |
13874054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 啓助 信州大学, 理学部, 助教授 (60145662)
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Keywords | 降雪 / 海塩起源物質 / 人為起源物質 / 日本海 / 中部山岳地域 / 積雪 |
Research Abstract |
昨冬季には中部山岳地域を中心とした110地点で降雪試料の採取を行った。採取地点は、道路から少なくとも30m以上離れており、かつ樹木や建造物も近傍にない場所を選んだ。土地利用上は田畑であるところがほとんどである。まとまった降雪後に採取地点において積雪断面観測を行い、層構造が攪乱されていないことを確認し、表層の新雪層を認定して新雪層のみを採取した。採取した雪試料はビニール袋に入れて実験室に持ち帰り、実験室で融解した後ろ過し、pHおよび電導度を測定した。また、イオンクロマトグラフにより主要イオン濃度を測定した。 その結果次のことが明らかになった。 1.海塩起源物質であるNa^+やCl^-の濃度は、日本海の沿岸域で高濃度であり、内陸に向かうに従い濃度が減少する。 2.日本海沿岸の平野部では、海塩起源物質であるNa^+やCl^-濃度は、比較的内陸まで高い濃度を維持するが、沿岸域から近距離でも標高が高くなるとこれらの濃度は急激に低下する。 3.人為起源物質であるNO_3^-やnssSO_4^<2->の濃度は比較的内陸でも高濃度の場合があり、特に、太平洋岸を低気圧が通過した際の降雪では、内陸域で高濃度になる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Suzuki, K., Endo, Y.: "Oxygen isotopic composition of winter precipitation in central Japan"Journal of Geophysical Research. 106-D7. 7243-7249 (2001)