2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13874072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城丸 春夫 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70196632)
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Keywords | 多価イオン / クーロン爆発 / 分子構造 / 鏡像体 / 位置敏感TOF / バックギャモンアノード / ECR / 動的光学異性体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子構造の直接観察法であるクーロン爆発イメージングを利用して、気相に孤立した分子の鏡像体識別が原理的に可能なことを示すことである。実験は都立大ECRイオン源を用いて行い、衝突実験装置、位置敏感飛行時間解析装置は既存のものを使用した。現在の計測システムでは5原子以上の多原子分子のイメージングを行うことは困難であるが、その程度のサイズでは光学活性分子の種類が非常に限られている。まず原理を証明することを目的として、0点振動によりTd対称における縮退が解けたCD_4分子について、"動的"光学異性体の識別を行った。8価のアルゴンイオンをCD_4に衝突させ、生成した多価分子イオンの解離断片の(電子、イオン)の同時測定から爆発の瞬間における解離断片の速度ベクトルを求め、その角相関から鏡像体を区別することができた。この結果は論文として報告した。さらに同位体を考慮に入れたキラリティーの解析をするため、CHD^<35>Cl^<37>Clを対象とした実験の準備を行った。まずCH_2Cl_2の位置敏感飛行時間計測を行ったところ、質量数35と37の信号の分離が十分でないことがわかった。そこで時間分解能を上げるため、衝突・飛行時間分析装置の改良を行った。この装置についてはごく最近立ち上げが完了し、現在予備実験を行っている。また光学活性カラムを用いて作った光学純度の高い試料(ただし構成原子数は少ない)の鏡像対識別を行うために、現在都立大学の有機合成グループが合成・分離を進めているところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Nishide, 他5名: "Dissociation of highly charged CS_2 formed by low energy collision of HCI"Phys. Scripta. T92. 415-419 (2001)
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[Publications] H.Tanuma, 他4名: "Present status of highly charged ion experiments with an ECR ion source at TMU"J. Chinese Chem. Soc.. 48. 389-394 (2001)
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[Publications] T.Kitamura, 他4名: "Dyrect observation of "dynamic" chirality by coulomb explosion imaging"J. Chem. Phys.. 115. 5-6 (2001)
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[Publications] F.A.Rajgara, 他7名: "Fragmentation dynamics of CS_2^<q+>(q=3-10) molecular ions"Phys. Rev. A. 64. 32712-32721 (2001)
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[Publications] F.A.Rajgara, 他6名: "Multi-hit, position sensitive, time-of-flight spectrometry using MBWC anode"Int. J. mass spectron and Ion Phys.. (in press).
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[Publications] G.Veshspidze, 他4名: "Position sensitive detector using resistive film combined with a "Modified Backgammon with Weighted Capacitors" readout Pad"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 871-875 (2002)