2001 Fiscal Year Annual Research Report
キラリティー制御による金属イオン認識分子の『生物進化型』合成法
Project/Area Number |
13874077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
築部 浩 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00144725)
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Keywords | キラリティー / トリポード / トリス(ピリジルメル)アミン / 希土類錯体 / 希土類発光 |
Research Abstract |
キラリティー制御に基づいて高次な金属イオン認識機能を発現する認識分子の『生物進化型』合成法を確立するため、トリポード型金属イオン認識分子の系統的な不斉合成と、希土類錯体化学への展開を重点的に研究した。 (1)キラリティー制御によるトリポード型認識分子の開発 代表的なトリポード型配位子であるトリス(ピリジルメチル)アミンは、遷移金属イオンや希土類金属イオンとの錯体形成に基づいて興味ある発光特性や触媒活性を示すことが知られている。しかしながら、配位子骨格への不斉置換基の導入は、合成上の困難さから極めて限られた例しか報告されていない。本年度の研究では、生体触媒を用いて合成した光学活性ピリジン誘導体をキラルなビルディングブロックとする連続的なN-アルキレーション反応を行い、多様な立体化学をもつ光学活性トリス(ピリジルメチル)アミン配位子の系統的な合成法を確立した。 (2)不斉トリポード型認識分子の希土類錯体形成挙動 新たに不斉合成されたトリポード型認識分子を用いて、希土類イオンとの錯体形成挙動を検討した。配位能をもたないトリフレートを対アニオンとすると、アセトニトリル溶液中で、光学活性トリス(ピリジルメチル)アミン配位子はいずれも、1:1型、1:2型、1:3型(希土類イオン:配位子)の安定な錯体を形成することを見い出し、それぞれの錯体生成定数を決定した。 (3)希土類発光特性のキラリティー制御 不斉なトリポード型配位子は、Tb^<3+>やEu^<3+>と安定な錯体を形成して特徴的な発光挙動を示す。これらの発光挙動は、トリス(ピリジルメチル)アミン配位子のキラリティーに大きく依存することから、配位子のキラリティーを最適化することによって、効果的に希土類発光特性を向上させることに成功した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Yamada, S.Shinoda, J.Uenishi, H.Tsukuba: "Stereo-controlled Substitution on Tris(2-pyridylme thyl amine ligands and Chiratity Tuning of Luminescence in Their Lanthanide Complexes"Tetrahedron Lett.. 42. 9031-9033 (2001)