2003 Fiscal Year Annual Research Report
加圧あるいは減圧にした大気中及び静水圧中における、高等植物の生理生化学反応の解析
Project/Area Number |
13874109
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
七條 千津子 神戸大学, 理学部, 助手 (70226132)
|
Keywords | 植物加圧用高圧チェンバー / 加圧大気 / 芽生え / 種子発芽 / 成長 / 形態形成 |
Research Abstract |
本年度の結果を以下にまとめた。 1.植物培養用小型圧力チェンバーの試作計画 2〜5気圧の大気加圧実験は、昨年度製作した圧力チェンバー(高さ250 mm,外径170 mmの円筒形)で簡単に行えるが、異なる圧力で、同時に多数のサンプルを加圧処理するには大きすぎる。そこで、小型で、さらに高圧加圧が可能なチェンバーを試作することを立案中である10〜20気圧の耐圧性能を持つポリカーボネートパイプ(高さ200 mm, od/id=76mm/65mm)の上下に、厚さ10mmのSUS-316製円盤を、ガスケットを介してボルトで締め付け気密構造とする。チェンバー上部に、25気圧ブルドン管圧力計、大気開放型安全弁、圧力調整器を取り付け、高圧ボンベより空気を導入して任意の圧力に加圧する計画である。 2.暗黒芽生えを用いた加圧実験 レタス、トマト、キュウリ、そしてダイコンを種子より2〜5気圧の加圧大気中で培養した。圧力効果の解析をできるだけ簡単にするため、暗黒条件にした。全てに共通した傾向は、圧力が高くなるにつれて発芽の時期が遅れ、胚軸と根の伸長成長が抑えられ太く頑丈になることである。しかし、圧力感受性は植物種によって異なり、トマトは敏感、ダイコンは鈍感であった。キュウリ下胚軸表皮細胞を光学顕微鏡で調べたところ、1気圧芽生えに比べ、小さく、密に並んでいる傾向があった。さらに、暗黒芽生えの光に対する反応性(フックや子葉の展開)にも、圧力の効果が認められた。 2.オジギソウの刺激反応性についても調べた。 圧力チェンバー内にリモートコントロール可能なガイド棒を取り付け、内部のオジギソウに接触刺激をあたえた。3気圧加圧下で刺激反応後の回復時間を調べたところ、回復速度が速い傾向が認められた。まだ予備実験段階のため、今後種々の条件設定を行い、詳細に調査する予定である。
|