Research Abstract |
ヒドラの光形態形成における実験は,触手形成と精巣形成については21日間行い,細胞解離による間細胞の増殖に関する実験は7日間実施した。 まず,光形態形成を誘導する光の強度をNDフィルターを使って0,312,1,250,5,000,20,000lxの5段階で検討した。1,250lx以下では新しい触手や精巣はほとんど形成されなかった。一方,5,000lxでは80%の個体に新しい触手が,20,000lxでは100%の個体に新しい触手が出現した。また,精巣の出現は5,000lxで47%,20,000lxで100%であった。以上のように触手と精巣は5,000lx以上で形成された。間細胞の増殖は,1,250lx以上で光量依存的に増殖していた。このように,ヒドラの光形態形成はいずれも光量依存的な反応であることが明らかとなった。 次に,光の作用する波長域を,カットオフフィルターを用いて調べた。その結果,触手形成,精巣形成・間細胞増殖のいずれにおいても,390〜460の範囲であった。 ヒドラを常明下と常明下で1年間長期飼育し,精巣形成を観察した。すると,常明下では,活発に精巣を形成しつづけたが,常明下では,ほとんど精巣は形成されなかった。このことからも光が精巣の形成に関与していることは明らかである。
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