2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13874121
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土肥 直美 琉球大学, 医学部, 助教授 (30128053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 祐三 琉球大学, 理学部, 教授 (70004372)
石田 肇 琉球大学, 医学部, 教授 (70145225)
|
Keywords | 宮古島 / 古人骨 / 先史時代 / 浦低遺跡 / 発掘調査 |
Research Abstract |
1.本年度の調査 先島地方で初めての先史時代人骨発見を目指し、夏期休業期間中の8月3〜12日に、宮古島城辺町浦底遺跡において以下の調査を行った。 (1)まず、埋葬地として利用可能だったと考えられる古砂丘の拡がりなど、古環境復元に必要な情報を収集するため、現砂丘周辺に2m×4m、1m×2mの試掘区をそれぞれ4ヶ所ずつ設定し発掘した。 その際、土壌、軽石などのサンプルを採取した。 (2)次に、詳細は不明ながら、1987・1988年の調査時に人骨が出土していたことが判明したため、その出土地点を手掛かりに、周辺部で4ヶ所(1m×2m)の試掘を行った。 (3)上記調査と平行して、遺跡の後背丘陵の踏査を行い、埋葬地として利用可能な洞穴が存在しないかどうかを調査した。 2.本年度の成果 (1)砂丘の拡がりや形成過程などに関する多くの情報を収集することができた。採取した土壌や軽石のサンプルは現在分析中である。 (2)人骨の発見には至らなかったものの、埋葬遺構との関連を示唆するシャコ貝や朝鮮サザエなどの集積が見つかり、来年度以降の調査に大きな期待をつなぐことができた。1987・1988年の調査時に出土した人骨は頭骨の大部分が失われ、四肢長骨も破損を受けている。現在、整理を行い、計測などを行っている。また、年代測定を依頼中である。 (3)後背丘陵には埋葬地として利用できそうな洞穴は皆無であることが確認された。今後は、砂丘の調査に焦点を絞ることができるので、この成果は大変大きな意味をもつものである。 本年度の調査によって、これまで不明な点の多かった遺跡の情報が整理できた点など、初年度としては予想以上の成果が得られた。 調査に際しては、沖縄県公文書館、城辺町教育委員会、平良市教育委員会、沖縄県埋蔵文化財センター、宜野湾市教育委員会、北谷町教育委員会、笠利町教育委員会、熊本大学考古学教室他から、多大な協力を得た。
|