EELSイメージングを用いたマンガン酸化物の3d電子軌道の可視化

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13875005
• Research Category: Grant-in-Aid for Exploratory Research
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 田中 信夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40126876)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 室岡 義栄 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (40273263)
• Keywords: EELS / 電子顕微鏡 / マンガン酸化物 / 3d軌道 / 可視化

Research Abstract

本研究では、EELSイメージング法を用いてマンガン酸化物の3d電子軌道を実験的に可視化することを目的とした。まず、(i)EELSイメージングシステムを試作し、散乱角などの各種パラメータを最適化した。次に、(ii)各種のマンガン酸化物にたいして3d電子軌道を可視化する。異方性の結晶構造、低温で強磁性相転移する酸化物の電子状態の異方性及び電荷整列状態を、角度分解EELS法を用いて、電子軌道の変化の観点から研究した。
平成13年度は、まず、EELSデータ画像化用2次元CCD検出器をもちいて「EELSイメージング観察系」を製作した。この観察系は、電子顕微鏡観察システムとエネルギー分析システムをもとに製作した。次に、標準試料を用いて、電子光学系の最適化およびデータ処理法の最適化を行った。本研究では微弱信号検出を行うので、特に観察系の安定化に注意を払って最適化した。
第二に、電子軌道可視化のために、電子顕微鏡観察系の基本特性を評価した。特に、画像化されたEELSデータの分析に必要となる各種パラメータ(取込み角、散乱角)の測定を行った。また、2次元検出器の信号変換高率、バックグラウンド、暗電流、各画素の応答関数の測定を行った。

Research Products

• [Publications] Y.Murooka, K.Tsuda, N.Tanaka, M.Hibino, M.Tanaka: "Change-ovleved Manganese Oxide studied by Omega-filter-angular resolued EELS"Proc.59th Annual Meeting of Microscopy Society of America. 7. 1146-1147 (2001)